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ドラマ「リモラブ」視聴メモ

ドラマ「リモラブ」2020年10月  ◯#3 20分頃「セフレくん」から着信(川栄李奈)※人事部・我孫子沙織奈 ◯#3 28分頃 マスク越しのキス(川栄李奈と松下洸平)※社内恋愛

大林宣彦「風の歌が聴きたい」雑感

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大林宣彦「風の歌が聴きたい」1998年公開 実在の聴覚障害の夫婦がモデル。 大林宣彦監督作品としてはオーソドックス。 「北京的西瓜」のように終盤いきなりメタになる事もなく、 ほぼ時系列でエピソードが普通に語られる。 DVDの特典映像で監督自身が語っているように、 障害者のトライアスロン挑戦を、ことさら感動的に描かず、 淡々と普通の人生のひとこまとして描写しているのが良い。 冒頭、 夫(天宮良)は宮古島トライアスロンレース(前日〜当日)、 妻(中江有里)は出産準備で入院中。 スイムの途中で一気に大過去(出会い)に戻る。 その後、 現在(レース/病院)と 過去(ほぼ時系列)が交互に語られて、 終盤の出産シーンで合流する構造。 オープニングの音楽は「北の国から」的ムードの印象的なメロディー。 「ジェームス・ディーンねえ」という柴山智加の服装は、 「ジェームスディーンみたいな女の子」大沢逸美風(83分頃)。 結婚式の「乾杯」の合唱に不意に動かされた(120分頃)。 上手すぎす、ちゃんと揃っていないのが、なんとなく良い。 入江若葉が話す北海道弁が結構リアル。 天宮良や中江有里のレースシーンは、 実際のレースに部分的に交流して撮影された、との事。 公開当時30代半ばの天宮良、童顔とは言え、 中学生パートはけっこうキツいw 公開当時20代半ばのヒロイン・中江有里は僕の好みのじみかわ系。 さすがに中学生パートは少々無理があるが、 年齢・流行で変化する様々な髪型やファッションで魅せる。 中江有里 プロフィール 風の歌が聴きたい 作品データ 大林宣彦監督作品

大林宣彦「水の旅人 侍KIDS」雑感

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大林宣彦「水の旅人 侍KIDS」1993年公開  大林宣彦監督作品の中でかなりの異色作。 いったいどういう経緯で生まれた作品なのか気になる。 バブルの余波によるテーマ先行・予算ありきの持ち込み企画だろうか? 2010年代のVFXに見慣れた目で見るとハイビジョン合成の画は相当キツい。 今回視聴したDVDは地の画質もかなり荒い(VHS画質をそのまま収録?)。 主人公(小学生)と小さな老人の侍(山崎努)の交流。 大枠は侍がメンターの成長物語なのだろうが、 主人公の未熟な部分が最初にあまり明確に語られていないので、 ハリウッド風のしっかりとした成長物語とは一線を画する。 猫の背中に乗って走る時にかかるサスペンスフルな音楽はなかかなかの良曲(79分頃)。 ナウシカに似た雰囲気の曲があったような? 小学校の先生役の原田知世は後半のろうそくのあかりのクロウスアップで 少女から大人になった貌で魅せる(84分頃)。 パトランプを点けて運転する時の「ウォッホー」は「彼のオートバイ、彼女の島」の引用? 大林宣彦監督作品 水の旅人 侍KIDS 作品データ

小林信彦「また、本音を申せば」読書メモ

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 小林信彦「また、本音を申せば」2020年4月発行 このシリーズは通常1年分=1冊だが、著者が2017年に病気になって休載していた為、 17年〜19年分を収録する変則版。入院中の出来事を綴った分は別タイトル(生還)で発行済。 "深夜放送(「オールナイトニッポン」)で、タモリが埼玉県をからかっていたのは、70年代の終わり頃ではないか"(P226) 僕が一番熱心に「タモリのオールナイトニッポン」を聴いていたのは高2のとき(1982年)だが、その時も埼玉や名古屋をバカにするネタはやっていた。「オールナイトニッポン」だけでなく、「笑っていいとも!」(82年10月放送開始)のテレフォンショッキングでも、少なくとも最初の3ヵ月から半年程度は度々やっていたと思う。 そもそも「笑っていいとも!」放送開始当初のタモリは「今日はオールナイトニッポン放送後から今まで飲んでいて寝ずに来てる」と毎週のように言っていて、完全な毒舌キャラだった(多分「笑っていいとも!」はせいぜい2クール程度で終わると思っていたのではないか)のだが、次第に、テレフォンショッキングでも当たり障りのない事しか言わない人畜無害キャラになっていった。「男はつらいよ」と同様に、長く続き過ぎるメジャー作品は、様々な有形無形の力学が働いて、次第に主演者は毒を失っていくものなのかもしれない。 「笑っていいとも!」と同時期に始まった「タモリ倶楽部」では、今でも毒舌キャラの片鱗が見られるが、80年代に比べればかなり薄味になっている。 小林信彦プロフィール

ドラマ「35歳の少女」視聴メモ

 ドラマ「35歳の少女」2020年秋 日本テレビ Huluで視聴。 #1鑑賞時点で予想される最もありがちな着地点は、 「柴咲コウの影響で家族や周囲の人間が人間らしい心を取り戻して、 家族が25年前のような仲が良い家族に戻る(家も綺麗になる)」だが、 この着地点で連続ドラマ10話程度の尺は持たないだろうから、 仮にここに着地するにしてもいくつもの展開が必要。 「25年後の現実だと思っていた方が実は夢だった(事故の数日後に目覚める)」 という展開も有り得るだろうか? --------------------------- #10最終回を鑑賞。 どうやら#1鑑賞時点で予想したような所に着地したようだ。 やさぐれていたキャラが全員(子供の頃のように)まっすぐになっている。 途中数話はながら見さえしていないので断定できないが、 ここに着地するなら単発2時間で充分だったような? あるいは母親(鈴木保奈美)の死による大きな何かがあったのだろうか。 ラストショットは<全て眠っている間の夢だった>とも解釈可能なショット。

藤田敏八「妹」雑感

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藤田敏八「妹」1974年公開 Amazon配信中(2020.10.08現在) 初見。 自分が若かった80年代、70年代の普通の邦画(エンタメでもアニメでもない普通の人間ドラマ)は、たまにテレビでやっているのをちらっと見る程度で殆ど積極的には見なかった。立教大学の映画サークルで自主映画を作っていたので、ほぼ義務感で文芸坐で小津や黒澤を観ても、小津はどこが面白いかさっぱり判らず、黒澤は「用心棒」「椿三十郎」などの判りやすいエンタメにはノレたが、「野良犬」だとそうでもない(成瀬はこの時点ではまだ殆ど見ていなかった。成瀬を見始めたのは、恵比寿TSUTAYAにあった小津作品をひととおり見終わった後、91年〜92年頃だったと記憶)。20代前半までの僕の映画リテラシーは、全く持って底が浅く、当時は70年代の普通の邦画に関しては、ロマポも含めて、とにかく画も話もビンボったらしい、という印象(偏見)を強く持っていたようだ。 80年代の僕(10代後半〜20代前半の僕)は、<自分が若いという状態が永遠に続く>という(今から思うとなぜそんな事が可能だったのか全く理解できない)幸福な幻想を持っていて、人生の侘び寂び哀しさなどを描く普通のドラマは基本的に全くノレなかった。 それが一変するのは25歳になった時。 <25は四捨五入すれば30>と思ってしまった瞬間、自分が年を取っていつかは必ず死ぬ、という当たり前の事実が急にリアリティを持って現出して、青春=幸福な幻想の時間は終わり、小津作品の哀しさが強く体感できるようになった(小津の戦後の主要作品の多くは「死」が通奏低音として描かれていると思う、特に「秋刀魚の味」)。 そして今、50代半ばの感覚で「妹」を観ると、ストーリーは正直よく判らないが、当時の光景(子供の頃に見た街並、祖父母の家にあったような家具、など)を眺めるだけで懐かしい気分(2020年の流行り言葉では言えば<エモい>気分?)に浸る頃ができる。80年代にビンボったらしいと感じていた記憶も蘇っては来るが、それよりも懐かしさに浸る快感の方が断然勝る。 引っ越し代を払いたくない女子大生・ひし美ゆり子とその場でいきなりコトに及ぶくだりは、本筋とはほぼ関係がないサービスシーン(24分頃)。公開当時27歳のひし美ゆり子はクロウスアップでなければ充分女子大生に見える程にattractive。ドクターペ

大林宣彦「北京的西瓜」雑感

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 大林宣彦「北京的西瓜」1989年公開 遠目の固定の長回しショットを多用してドキュメンタリー風に時系列で語られていて、 「大林宣彦作品にしては比較的普通だな〜」と思っていると、 終盤一転してメタシネマになり、そういえば、 ド頭の説明字幕からしてそうだった、と思い直す。 中国人留学生を演じているのは実際の留学生らしい。 実際の八百屋のすぐ近くにロケセットを建てて撮影。 111分頃の37秒間の空白は天安門事件に対する映画的抵抗。 DVDの特典映像で大林宣彦自身が語っている。 「37」は1989年6月4日の日付の数字の合計(wikiによる)。 医学を勉強している美形の留学生はデビュー当時の木元ゆうこに雰囲気似。 大林宣彦監督作品 北京的西瓜 作品データ

高杉良「破戒者たち」読書メモ

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高杉良「破戒者たち」読書メモ 明確な主人公不在、主要人物多め。     これまでに読んだ高杉良作品に比べるとカタルシス少ない。 金融に関する知識不足で細かい部分はよく判らなかったが、 いつもの高杉良作品の根幹に漂う濃密な人間ドラマは、 後半に行くほど薄味になっていく。 P148のJC平田の土下座&ウソ泣きを越える大芝居がクライマックスにも欲しかった。 小説としての深みを強めるのなら、大塚を明確な主人公にして、 もっと村木・宮本とガンガン対立させるべきなのだろうが、 途中からはそうでもなくなって、大塚もほぼ流されて行く感じ。 村木も悪役として魅力不足。 村木の哲学は最期まで不明瞭だった。 新日産興銀行のモデルは日本振興銀行。 ●人物メモ ◯Mファイナンス ・村木豪(社長、元日本銀行) ・大塚徹(企画部長、元金融庁) ・野原朋代 ・宮本 ◯オラガ ・越智信治(社長、新日産興銀行設立準備委員長) ・倉田克己(取締役) ・奥谷政子 ◯村木豪 ・Mファイナンス社長(金融コンサルティング会社) ・1961年生まれ ・元日本銀行 ◯大塚徹 ・Mファイナンス執行役員企画部長 ・東北出身、色白な細面、貴公子然 ・元金融庁事務官(ノンキャリ) ・ノーパンしゃぶしゃぶ ◯越智信治 ・オラガ社長、新日産興銀行設立準備委員長 ・36歳、187㎝、がっしりした体型、体育会系 ◯倉田克己 ・オラガ取締役 ・36歳、約165㎝、丸い童顔 ・元製造業 ・越智の高校のクラスメイト ・妻(幸代)は高校のクラスメイト、越智を信用していない ◯平田斉之助 ・老舗製菓会社社長、東京青年会議所理事長 ◯P54 越智と奥谷政子が社長室で? ◯P135 宮本と野原朋代(野原のしたたかさ) ※この辺の気になる脇役も後半は殆ど登場しない

マンガ「孤独のグルメ」読書メモ

マンガ「孤独のグルメ」 第1話冒頭の文章(モノローグ) 「俺は仕入れた輸入雑貨を  置いておく倉庫で南千住に  格安の良い物件があるというので  見に来たが予想を上回る  ボロさだった」 は、改行位置を含めて、わざわざ判りくい言い回しにしているように思える。 「仕入れた輸入雑貨を保管する為の倉庫を探していて  南千住に格安の良い物件があるというので見に来たが  予想を上回るボロさだった」 とでも書けば良いのを、こういう書き方をするのは、 逆にフックにしようとする狙いなのだろうか?

芦屋小雁「笑劇の人生」読書メモ

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芦屋小雁「笑劇の人生」新潮新書 2018年発行 芸能生活70年を軽いタッチ(関西弁の地の文)で語る。 <会話>は殆どなく、ひたすら一人称。 酒が飲めない事以外はかなり羨ましい人生。 特に羨ましいのは睡眠時間3〜4時間で平気な体質。 3回の結婚以外にもいろいろ遊んだ話も、正直、かなり羨ましいw 地方の興行主が女の子をあてがってくれた(P150) 53歳の頃に7人の女性と同時に交際(P152) etc. 仕事の話以外の話もいろいろ語っているが、やはり一番多いのは映画マニアの話。 耐久上映会のくだりに小林信彦の名前がある(P146) 金はあればあるだけ使えるが、1日500円でもじゅうぶん楽しめる(P126) この考え方には多いに同感。いまが全て。明日が来るかどうかなんて判らない。 僕は関西弁がなんとなく生理的に苦手なのだが、この本の関西弁は気にならなかった。 どうやら普段の会話で<圧が強い>関西弁を音で聞くのが苦手なようだ。 その癖、漫才の関西弁はなぜか平気なので、この辺は、自分でもよく判らない。 芦屋小雁プロフィール