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浅田次郎「地下鉄に乗って」読書メモ

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浅田次郎「地下鉄に乗って」講談社文庫 1999年発行 24年前(1997年)に1回読んでいるが、地下鉄に乗って? タイムスリップするという設定以外、殆ど何も覚えていなかった。 同じような設定の近作「おもかげ」に比べると、何の話か判りにくい。 何度も過去に飛んで何度も過去の父親に会うが、現在では一度も父親に会わない。 「過去の判明」は、知らなかった過去が判明した事によって現在の主人公の状況が変わるのが王道の展開。この話に当てはめれば、過去の父親に会った事で、現在の父親に対する認識・関係性が変わるのが王道。現在の父親と対面しないのは非常に不自然に感じられる。 王道の展開をあえて避けて描きたかったのは何か? と問われるとそこはよく判らなかった。 脇役かと思っていた愛人(みち子)が一番劇的な行動をする。 過去の世界で自らを殺す(一種の自殺)。 その行動に至るみち子の心境は全く判らなかった(何かを読み落としていたか?) 跳ぶ先の時代の中で一番の近過去で自殺する兄の心境、またしかり。 「記憶という暗い流れの中で、    孤独な人間を乗せて行きつ戻りつしている小舟が、  時間というものの正体だ」(P36) 浅田次郎 プロフィール

浅田次郎「おもかげ」読書メモ

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浅田次郎「おもかげ」講談社文庫 2020年発行 全開ノスタルジー。 多分50歳を過ぎてから読まないとあまり染みてこない類の作品。 解説によると対になる作品とされている「地下鉄(メトロ)に乗って」は 32歳の時に読んでいるが全然覚えていない。読み直そう。 夢/妄想のようなノスタルジー展開を、なんの説明もなく、 ひたすら体験者の主観として、当然起こる事のように描くのが良い。 65歳の男性が19歳の肉体を実感する興味深い描写はP351〜。 死は虚無にちがいないが、 そこに至るまでには、 きっと時間からの解放があると僕は信じている。 たとえそれがたったの数分間であっても、 死にゆく人にとっては数十年にも、 もうひとつの人生にも、 いや永遠に思えるほどの世界が待っているのだ(P246) 眠れない夜の深夜にじっくりしみじみと味わいたい。 浅田次郎 プロフィール