小林信彦「また、本音を申せば」読書メモ

 小林信彦「また、本音を申せば」2020年4月発行

このシリーズは通常1年分=1冊だが、著者が2017年に病気になって休載していた為、
17年〜19年分を収録する変則版。入院中の出来事を綴った分は別タイトル(生還)で発行済。

"深夜放送(「オールナイトニッポン」)で、タモリが埼玉県をからかっていたのは、70年代の終わり頃ではないか"(P226)

僕が一番熱心に「タモリのオールナイトニッポン」を聴いていたのは高2のとき(1982年)だが、その時も埼玉や名古屋をバカにするネタはやっていた。「オールナイトニッポン」だけでなく、「笑っていいとも!」(82年10月放送開始)のテレフォンショッキングでも、少なくとも最初の3ヵ月から半年程度は度々やっていたと思う。

そもそも「笑っていいとも!」放送開始当初のタモリは「今日はオールナイトニッポン放送後から今まで飲んでいて寝ずに来てる」と毎週のように言っていて、完全な毒舌キャラだった(多分「笑っていいとも!」はせいぜい2クール程度で終わると思っていたのではないか)のだが、次第に、テレフォンショッキングでも当たり障りのない事しか言わない人畜無害キャラになっていった。「男はつらいよ」と同様に、長く続き過ぎるメジャー作品は、様々な有形無形の力学が働いて、次第に主演者は毒を失っていくものなのかもしれない。

「笑っていいとも!」と同時期に始まった「タモリ倶楽部」では、今でも毒舌キャラの片鱗が見られるが、80年代に比べればかなり薄味になっている。





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