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1月, 2021の投稿を表示しています

ドラマ「俺の家の話」視聴メモ

ドラマ「俺の家の話」2021年1月 ・西田敏行(父親)が最初に倒れた時に長瀬に連絡が来なかった理由がよく判らない ・父親の両手は全く普通に動くように見える(頭も局部も自分で洗えそう)

近未来に起きそうな事

◯記憶(クラウドのデータ) スマートデバイス(スマートグラス?)の進化で、 人生における全ての会話(映像)が自動的にクラウドに保存されて、 いつでも瞬時に再生可能になり、言い間違い/聞き間違いは原則ありえなくなる。 クラウドの映像データ・音声データを瞬時に改竄するアングラウィルスが登場、 誰もがクラウドのデータを頼って<自分>では覚えないのが当たり前になっているので、 クラウドを書き換えられるとそっちが本当にように感じてしまう。 ※重大犯罪に関わるデータが改竄される ※音声も映像も人の記憶も当てにならない、裁判はどうなる?  

ドラマ「クイーンズ・ギャンビット」視聴メモ

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ドラマ「クイーンズ・ギャンビット」Netflix 2020年配信 ひたすらまっすぐ全身全霊チェスに打ち込む良い子ちゃんキャラではなく、 クスリ、酒、セックス、ファションなどにちゃんと関心があるのが良い。 とことん堕ちていきそうな要素が散りばめられるが、 どん底に堕ちる事はなく、 最後はスポ根青春ドラマのような展開。 ほぼ全てのショットで画面構成・照明が素晴らしい。 特に、室内のライティング、陰影の美しさ。 ヒロイン・Anya Taylor-Joyは大きな目が印象的、 角度によって美人にもファニーフェイスにも見える。 大人になった後のしっかりメイクも悪くないが、 ミドルティーンの頃の不機嫌な表情、 自信・高慢と孤独・不安が同居するムードが非常に良い。 クイーンズ・ギャンビット 作品データ

芦原すなお「東京シック・ブルース」読書メモ

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芦原すなお「東京シック・ブルース」集英社文庫 2000年発行 過去に2回か3回読んでいる筈なのだが、またもや、殆ど細部を忘れている。 様々な人間との出会いと別れ。 出会った人とはいつか必ず別れる時が来る。 お互いが生きていても<あの頃>のように頻繁に会わなく事がほとんど。 出会って傷つけて会わなくなつろとしても、誰にも出会わないよりは出会った方が良い。 最後に残るのは一番普通っぽい權藤。 3人の女性とチャンスがありながら、 誰ともセックスしない事に作者の拘りと矜持がある。 以前に読んだ時は、まだ自分自身の大学時代に対する生々しい残滓がどこかにあり、主人公に過剰に移入していたのが、大学卒業から30年以上経って読んだ今回は、冷静に客観的に、古い建造物を眺めるような気分で振り返る事ができるようになったようだ。 ◯松下文子の夜這い(P22) 上京前夜、同級生の松下文子が部屋に忍び込んで来る ライブ感と脱線気味の文子の台詞が素晴らしい。 隣町まで行ってコンドームを買う苦労。 芦原すなおの小説の最大の魅力は、こういう段取りでない台詞のやりとり。 ◯下宿の東大生の話①(P44) 東大生は「小説はフィクション。フィクションを面白がるのは程度が低い。それよりも本当の事(法律、経済など)を勉強する方がいい」といったような事を言うが、ハラリ氏の言を借りるまでもなく、法律も経済も国家もまた壮大なフィクション。 ◯初見芙美枝と白獅子堂(P101〜) バッハ 平均律クラヴィーア曲集 チェンバロ独奏 YouTube ◯トーマス・マン「魔の山」の話(P104) この小説「東京シック・ブルース」は「魔の山」のような話。 広義には大学生活は「魔の山」のようなモノとも言える。 ◯下宿の東大生の話②(P121) 飲酒の限界の話(3パターンの射出)、生と死の話。 「小さな光の球が無限の質量を持つ暗黒に囲まれている」 ◯權藤の話(クラスメイト、バイト仲間)(P256) 「恋愛は体に悪い」 考えても結論が出ない事、 なるようにしかならない事をつい考えてしまう。 ◯観たとから観たとこまで(P234) 僕も大学時代によくロサ会館の映画館でこういう観方をしていた。 面白い映画だと観たとこも観て1.5回観る事もあった。 これはどういう事なんだろう? と考えながら初見の後半を観るのは、 答えから問題を考えるような面白さが

司馬遼太郎「街道をゆく38 オホーツク街道」読書メモ

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司馬遼太郎「街道をゆく38 オホーツク街道」 朝日文庫(2002年第12刷) 「札幌というまちは、歩道を歩いているだけで、気分がいい。 街を歩いていて、気分が秩序だってくるというのが、都市性というものである。」(P30) 画家・三好好太郎の話(P31) 母校・札幌南高校出身。 10年くらい前に帰省した時に記念館?に行ったのだが、 どんな絵が展示されていたか、ほぼ覚えていない。 独特な女性の肖像画のような絵があったような気がするが、 これが「婦人像」だったのだろうか。

マーク・クラーク「STAR WARS FAQ」読書メモ

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マーク・クラーク「STAR WARS FAQ 」キネマ旬報社 2016年発行 本文約450頁、ハードカバーでもないのに厚さ約3.5㎝。 ちびちび読んでいたので読み切るのにかなり時間がかかった(夏中ずっと読んでいた印象)。 興味深い製作の裏側(何度も財政的に破綻しかけた、ルーカスとカーシュナーの対立など)と、 結構どうでもいい関連番組や関連グッズに関する詳細な言及が混在。 とにかくSTAR WARSに関するあれこれを相当網羅しているのは間違いない。  ※2018年9月29日 ◯ファルコン号で3POがハンとレイアの邪魔をするのはカーシュナーのアイディア(P225)

Aaron Sorkin「シカゴ7裁判」雑感

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Aaron Sorkin「シカゴ7裁判」2020年公開 Netflix配信中(2021.01.17現在) 冒頭から<説明>なしにどんどん進むので、 ある程度の予備知識がないと置いていかれそう。 現在(進行中の裁判)と近過去の重要場面の往還。 「ソーシャル・ネットワーク」と同様の構成。 今回は監督も担当しているアーロン・ソーキンの会話劇、 複線会話頻発の「ソーシャル・ネットワーク」「ニュースルーム」に比べれば判りやすい。 むしろ、予備知識なしの初見では、3団体の方法論の差異がよく判らなかった。 3団体とも過度な衝突は避けようとしているように見えた。 シカゴ7裁判 作品データ

芦原すなお「わが身世にふる、じじわかし」読書メモ

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芦原すなお「わが身世にふる、じじわかし」2007年発行 ①ト・アペイロン ・高名な詩人が殺される ・ト・アペイロン=無限なもの、不定なもの(ギリシャの哲学者の言葉) ②NY・アップル ・俳優が殺される(全裸、斤) ・ギリシャ神話 ③わが身世にふる、じじわかし ・77歳の男性ふたりが行方不明 ・暗号文(夏目漱石) ④いないいないばあ ・会社社長の若い後妻が変死 ・お好み焼き(郷里のソース)、子供の頃の子守り ⑤薄明の王子 ・プロレスラーが死亡(死因は試合中のバックドロップ?) ・プロレス蘊蓄、ちらし寿司、後楽園ホール、アナフィラキシーショック ⑥さみだれ ・精神科医の男と妻が死亡(自殺?) ・イリコ飯、首吊り死体の夢 ※思い出せないのが当たり前(P203)

尾瀬あきら「夏子の酒」

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尾瀬あきら「夏子の酒」1988年連載開始 連載当時は好きになれなかったが、50代半ばになったいま読むと、ビンビン沁みる。 読みながら何度も涙ぐみそうになる。 モーニングの連載を時々斜め読みしていた当時の僕は20代半ば、時代はバブルで、<東京から田舎に戻って酒造り(米作り)をする>という話に対して最初から拒否反応。 ドラマの方も和久井映見目当てでちらっと見たが、「田舎が舞台の古臭い話」的な感想しか持っていなかった。 尾瀬あきらは、東京の高校生の群像青春作品「初恋スキャンダル」が大好きだったので、 「初恋スキャンダル」の続編的な話、「初恋スキャンダル」のメンバーが社会人になって東京で奮闘する話を描いてくれればいいんだけどな〜と思っていたのを、先々週の出来事にように想い出す。 ※「初恋スキャンダル」1981年連載開始(全18巻) あれから約30年、30年前に比べてノスタルジーに浸って過ごす時間が断然増えたいま、「夏子の酒」のような話は単純に沁みる。話の展開はコテコテなのだが、むしろそこが琴線に触れる。夏子の挑戦が仮に失敗しても、それでもいい。 ※現在3巻まで読了(全12巻) この作品のように、読む年齢によって感想が大きく変わる事はよくあるが、それが非常に顕著だったのは「ライ麦畑でつかまえて」。初めて読んだ19歳の時は主人公ホールデンに強烈に移入、2回目の20代半ばの時はホールデンの逆サイド(教師や社会)に移入、3回目の30代の時は全体を俯瞰する作者サリンジャーの視点に移入して読んだ。 漫画家(年齢順一覧)

篠田正浩「乾いた湖」雑感

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篠田正浩「乾いた湖」1960年公開 U-NEXT配信中(21.01.16現在) 60年安保の時代の若者たち。 松竹ヌーベルバーグの代表作と言われているようだが、 武満徹の音楽、一部のシーン、一部のカメポジ、唐突な終わり方など、 それっぽい要素はあるものの、 とことんヘンな大島渚作品に比べれば、 全体的にはテーマもストーリーも結構普通にまとまっている印象。 監督がもともと持っている資質の問題だろうか。 炎加世子と三上真一郎と岩下志麻の三角関係、 山下洵一郎と岩下志麻と三上真一郎の三角関係。 どちらもとことん正面衝突はしない。 遊び人の学生達と真面目な学生達(学生運動)。 どちらのグループにも属しきれない主人公。 金を持つ者の孤独と金を持たざる者の孤独。 撮影当時19〜20歳のヒロイン・岩下志麻の瑞々しい魅力。 特に、やや仰り気味のアングルで捉えたショットがattractive。 乾いた湖 作品データ 岩下志麻 プロフィール

芦原すなお「嫁洗い池」読書メモ

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芦原すなお「嫁洗い池」創元推理文庫 2003年発行 ①娘たち ・河田の同僚の娘が行方不明 ・娘の友人に六本木の店で会う ・20歳の頃の想い出(恋愛相談、遺髪) ※遺髪の主との20歳の頃の話(P44〜)  こんな印象的な出来事を忘れてしまうだろうか? ②まだらの猫 ・中堅商社会長が密室で吹き矢で殺される ・夜中に血を吐いて検査を受ける(異常なし) ③九寸五分 ・ヤクザの組長が匕首で殺される ・秋、メンタルダウン、関東炊き ④ホームカミング ・目白の屋敷の主人が突然死 ・大学の同窓会(妻)、のっと(芭蕉・漱石)、木田と本田 ⑤シンデレラの死 ・会社社長失踪 ・群馬県の山奥、お泊まり会館、送り花、灰かぶり姫 ⑥嫁洗い池 ・兄が弟を殺す(妄想が現実になる) ・記憶操作(薬物、精神科医)

芦原すなお「ミミズクとオリーブ」読書メモ

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 芦原すなお「ミミズクとオリーブ」創元推理文庫 2000年発行 少なくとも2回は読んでいる筈だが、細部は全然覚えていない。 今回はメモを取りながら読んだ。 ①ミミズクとオリーブ ・飯室(大学時代の友人、テレビ局→大手広告代理店) ・飯室の浮気(妻が家出、銀座のクラブ) ②赤い珊瑚の耳飾り ・河田(高校時代の友人、警察官) ・女性社長が殺される(殺人現場偽装、化粧・耳飾り) ③おとといのおとふ ・松橋警部補夫人(高校の同級生) ・地元の資産家が殺されかける(ゴルフシューズ・犬) ※地元のクラス会、方言 ④梅見月 ・吉武増昭(高校の同級生) ・吉武の家宝の刀と兜が盗まれる(不思議な足跡) ※20年前の回想、妻との出会い、漢詩 ⑤姫鏡台 ・河田(高校時代の友人、警察官) ・高名な画家が変死(デッサンの女性の顔の向き) ⑥寿留女(するめ) ・河田(高校時代の友人、警察官) ・府中の茶屋夫婦の離婚(お互い浮気) ※スルメ、虫歯 ⑦すすばな ・河田(高校時代の友人、警察官) ・青山の夫婦が変死(服飾&エステ) ※⑥と似ている夫婦設定、睡眠薬とふぐ、二刀流の愛人 *芦原すなお「ミミズクとオリーブ」シリーズ ①ミミズクとオリーブ 2000年 創元推理文庫 ②嫁洗い池 2003年 創元推理文庫 ③ わが身世にふる、じじわかし 2007年 創元推理文庫

Christopher Nolan「TENET テネット」雑感

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 Christopher Nolan「TENET テネット」2020年公開 (予備知識ほぼ0で鑑賞した直後の感想) 超難解。予備知識なしの初見で完全に理解できる人はいるのだろうか? 多分映画で初めて描かれる時間が逆行する世界における行動、アクション。 ほとんどのミッションが何がどうなれば成功なのかよく判らない。 回転ドアのような装置を通って、現在から過去、 未来から現在にピンポイントで移動できるようだが、 自由に移動できるならもっと簡単に解決できるのではないか、 アルゴリズム(一応コレがマクガフィン?)を作った科学者? を殺してしまうとか、 とも思ったが、Robert Pattinsonが「起こった事は起こった」と何度か言っていたので、 よくある「過去を改変してその後を変える話」ではないのかもしれない。 だが、過去に移動したヒロインは夫を殺していたように見えた。 (数日後) ネットで解説サイトをいくつか読む。 逆行はピンポイントでリープするタイムトラベルではなく、 過去のある時点に行く為にはその分逆行を続けなくてはいけないらしい。 https://note.com/iso_zin_/n/n1735240d4cfa TENET テネット 作品データ

ドラマ「カルテット」視聴メモ

ドラマ「カルテット」2017年1月 Hulu配信中(2021.01.07現在) #6 12分頃〜 再現VTR風に語られる真紀と幹生のなれそめ。 他人に対して話している体をあえてとっているのは、 画で見せているこれらの事柄が必ずしも本当ではない、という事か? 記憶違い。あえて嘘をついている。 ※真紀(松たか子)は義母(もたいまさこ)、  幹生(宮藤官九郎)は知り合ったばかりの他人(満島ひかり)に対して語る ※他人に対して語る内容にしてはディテールが細かすぎる

Bong Joon-ho「パラサイト 半地下の家族」雑感

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Bong Joon-ho「パラサイト 半地下の家族」2019年公開 Netflixで鑑賞。 絶賛評は巷に溢れているだろうから、あえてネガティブに感じられた点を挙げる。 まず第一に、エンタメで上映時間132分は長い。 いろいろ切れば充分90分程度にまとめられると思う。 冒頭から家族全員雇われるまではまずまず快調なのだが、中盤、特に、最初のクライマックスと言うべきキャンプの夜が冗長。あまりにも雨が降るシーンが続くので、「こんなに雨が降ったら彼らの半地下の家は水びたしになるのでは?」と予想がついてしまう。序盤で退場した元運転手の事を何度も言及する理由は全く判らなかった。 冗長な割に説明されていない事もいろいろある。 ◯家族4人が半地下の部屋に住み続ける理由は?  (4人の給料をあわせればもう少し良い部屋に引っ越せるのでは?) ◯家政婦はなぜ夫を残して出て行ったのか? ◯夫のいましめを解いたのは実は生きていた家政婦? 息子が石を持って地下に降りて行くシーンで冗長感はピークに達するが、そこから急展開して予想外の展開でラストまでは驚かされた。 クライムシーンをスローモーションで見せる手法はどうも好きになれない。 これは完全に好みの問題。 ※韓国映画の常套的な見せ方らしい 大雨で避難した体育館で父親が言う言葉、「無計画なら計画失敗はない」(うろ覚え)は、 おそらくこの映画全体の根本思想。どこに着地するか判らない構成(編集)の醍醐味は、 映画館で全集中してどっぷり世界に浸かって観る事ができれば、もう少し別の次元で楽しめたのではないかと想像する。 大雨の夜に家族全員屋敷に集合して、もう一度半地下の家に戻って来るのは、洪水ありき(格差強調)の段取り進行に思えてしまう。 ◯洪水で半地下の家が水没 ◯家族全員屋敷にこっそり転がり込む ◯誰もいないと思っていた屋敷のシェルターに先客がいた (屋敷の外からもシェルターに入る方法を発見) (追い出したと思っていた家政婦もいた) という流れで、枝葉を切った方が、エンタメとしては見易くなりそう。 追記: 序盤で退場した元運転手の事を何度も言及するのは、 「無計画なら計画失敗はない」という思想のバリエーション、 人生はある日突然何が起こるか判らない、という事の一例か?  映画監督(海外)