Bong Joon-ho「パラサイト 半地下の家族」雑感

Bong Joon-ho「パラサイト 半地下の家族」2019年公開

Netflixで鑑賞。
絶賛評は巷に溢れているだろうから、あえてネガティブに感じられた点を挙げる。

まず第一に、エンタメで上映時間132分は長い。
いろいろ切れば充分90分程度にまとめられると思う。

冒頭から家族全員雇われるまではまずまず快調なのだが、中盤、特に、最初のクライマックスと言うべきキャンプの夜が冗長。あまりにも雨が降るシーンが続くので、「こんなに雨が降ったら彼らの半地下の家は水びたしになるのでは?」と予想がついてしまう。序盤で退場した元運転手の事を何度も言及する理由は全く判らなかった。

冗長な割に説明されていない事もいろいろある。
◯家族4人が半地下の部屋に住み続ける理由は? 
(4人の給料をあわせればもう少し良い部屋に引っ越せるのでは?)
◯家政婦はなぜ夫を残して出て行ったのか?
◯夫のいましめを解いたのは実は生きていた家政婦?

息子が石を持って地下に降りて行くシーンで冗長感はピークに達するが、そこから急展開して予想外の展開でラストまでは驚かされた。

クライムシーンをスローモーションで見せる手法はどうも好きになれない。
これは完全に好みの問題。
※韓国映画の常套的な見せ方らしい

大雨で避難した体育館で父親が言う言葉、「無計画なら計画失敗はない」(うろ覚え)は、
おそらくこの映画全体の根本思想。どこに着地するか判らない構成(編集)の醍醐味は、
映画館で全集中してどっぷり世界に浸かって観る事ができれば、もう少し別の次元で楽しめたのではないかと想像する。

大雨の夜に家族全員屋敷に集合して、もう一度半地下の家に戻って来るのは、洪水ありき(格差強調)の段取り進行に思えてしまう。
◯洪水で半地下の家が水没
◯家族全員屋敷にこっそり転がり込む
◯誰もいないと思っていた屋敷のシェルターに先客がいた
(屋敷の外からもシェルターに入る方法を発見)
(追い出したと思っていた家政婦もいた)
という流れで、枝葉を切った方が、エンタメとしては見易くなりそう。

追記:
序盤で退場した元運転手の事を何度も言及するのは、
「無計画なら計画失敗はない」という思想のバリエーション、
人生はある日突然何が起こるか判らない、という事の一例か? 











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