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Netflix「全裸監督」雑感

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Netflix「全裸監督」全8話 予測の上を行く山田孝之のハイテンション・オーバーアクティングは一見の価値がある。 歌舞伎町のセットを筆頭にproduction designには充分な金がかかっている。 黒木香役の女優(森田望智)は実際の黒木香よりかわいい。 以上3点以外はあまり感心しなかった。 全体としてどの線を狙っているのかいまいち不明瞭。 内容・テーマに寄り添ってドキュメンタリータッチ(風)のコメディが最適解な気がするが、全体的にはどこか中途半端なドラマに終始している印象。 いろいろな事をやろうとして逆に一番やりたい事が曖昧になっているような。 #1の途中までまずまずだったテンポもだんだん落ちて来る。 メインは<ハメ撮り>を発明した破天荒な男の物語、 サブはAVに出演した事で自分を解き放った女の物語なのだろうが、 両者ともに集約不足、メインとサブの関係性にこれといったドラマがない。 このふたりが出会った瞬間にお互いを認め合ってストーリーが集束・昇華しているようにも見えるが、それならば出会う前にもっと障害が必要なのでは? 台詞・構図・演出にコレと言ってグッと来るものが感じられなかった(特に台詞)。 大手メーカーとの対立にヤクザや悪徳刑事が絡む展開は、 話が紋切型でキャラクターが類型的で、語り口を含めて既視感ばかりが漂い、 曖昧な方向性が最も顕著にマイナスに作用していたようだ。 もっと明確にヤクザもののパロディ的コメディで良かったと思うだが…。 ポセイドンvs村西の対立構図はもっと早い回に見せて欲しかった(#8 12分頃) イマジナリーライン越えが山田孝之と満島真之介の関係断裂を表現しているのかもしれないが、普通に見ていると単にしっくりこない編集に見える(#8 20分頃) 村西の会社、警察の取調室、ビデ倫の部屋はリアリティ感ない。 村西は最後まで一度も実際に「ナイスですね」と口に出して言わなかった(多分)。 あえてやっているのかもしれないが時代考証は微妙にアバウト。 扇子片手のあのダンスやパラパラの本格的な流行は90年以降の筈。 石橋凌の自宅リビングにある薄型テレビは10年早いのでは?(試作品か?) 城定秀夫か今泉力哉か山下敦弘か堤幸彦が全編監督したらどうだったのだろう、 とついつい想像してしまう作品。 ----------

Netflix「Another Life」雑感

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Netflix「Another Life」シーズン1(全10話) 各種要素ごった煮的近未来B級SFサスペンス。 ツッコミ所はいろいろあるのだが、 しっかりと金をかけて作られた安定感のある画で見せる。 B級感はシリーズ後半に行く程に増して来る印象。 「未知との遭遇」「2001年宇宙の旅」の通奏低音。 「宇宙大作戦」「エイリアン」「ゼロ・グラビティ」のテイスト。 松本零士的アナログな味(宇宙船の修理・清掃)。 #9のエンドロールの曲は80年代テクノ風の良曲。 副主人公のJustin Chatwinは ドラマ「シェイムレス」で最初の方に出ていたクルマ泥棒 (ヒロインの相手役、実は金持ちのボンボン)。 Katee Sackhoffのルックスはヒロインとしてはキツい。 子供の誕生日の服装・メイクはふざけたコスプレに見える(#4の夢)。 実年齢は30代後半だがもっと年上に見える。 00年前後にいろいろ出ていたSelma Blairを久々に見たが、 こちらはトシの割には頑張っている。 製作者の誰かの意図なのか、全体的に女優陣はいまいち。 断然attractiveな若い女優は皆無だった。

西沢信孝「マジンガーZ対暗黒大将軍」雑感

西沢信孝「マジンガーZ対暗黒大将軍」Hulu 1974年公開 前作に続いて独特な画角のショット(アオリ、極端な2名配置)。 作画監督・角田紘一、原画・奥山玲子(オープニングロールで筆頭クレジット)。 敵の攻撃を受けてマジンガーZがボロボロになった所にグレート登場、来るんならもっと早く来いw

勝間田具治「マジンガーZ対デビルマン」雑感

勝間田具治「マジンガーZ対デビルマン」Hulu 1973年公開 アニメならいかようにも共演可能なので、仮面ライダーの映画3本に比べればある程度映画になっている。マジンガーZの世界にデビルマンと妖獣軍団が特別出演。ジェットスクランダー初登場。 マジンガーZのBGMは名曲が多い、と改めて思う。 大胆なアオリ構図のショットなどダイナミックな画が多い。 ※手前にAの顔のクロウスアップ、奥にBの全身 作画監督・角田紘一、wikiによると原画・奥山玲子。 マジンガーZ関連音楽の中で一番の名曲でパイルダー出撃(2分頃)。 兜甲児と不動明がバイクで争う(14分頃)。 7歳の時、北海道新聞に掲載された広告を見て、「見たい」と思ったが、結局行かなかった記憶がある。

折田至「五人ライダー対キングダーク」雑感

折田至「五人ライダー対キングダーク」Hulu 1974年公開 オープニングで「仮面ライダーX」の主題歌でライダー5人がバイクで並走(1号、2号、V3、ライダーマン、X)。ライダーマンが乗るバイクだけ普通のバイク。 東京カラカラ作戦の描かれ方は中途半端で何をどうするつもりなのかよく判らない。 怪人たちはなんとなく何度も引き上げる。 旧ライダー登場シーンに旧作の音楽(エンディング曲など)。 キングダークは顔見世程度(肘をついた姿勢から動かない)。 ライダーマンが「俺の名は仮面ライダー4号」と名乗る(10分頃)。 ライダー5人並走シーン、Xのマシンの片方の風車(?)が回転していない(17分頃)。 毎度おなじみ怪人の自己紹介(19分頃)。 オープニングと最後に意味ありげに登場する飛行船は本編では活躍しない。 怪人に拉致される水の江じゅんは目が印象的な美人(キカイダーのヒロイン)。 仮面ライダー作品データ

山田稔「仮面ライダー対じごく大使」雑感

山田稔「仮面ライダー対じごく大使」Hulu 1972公開 上映時間37分。 TVシリーズと同じ主題歌・BGM。 戦闘員がヘッドフォンを付けてヘリコプターを操縦(冒頭)。 ライダー・怪人・戦闘員が楽しく(? )一緒にオフロードツーリング(20分頃)。 ライダーが馬に乗って戦闘員と戦う(26分頃)。 ショッカーの怪人軍団がひとりひとりしっかり自己紹介(26分頃)。 雪の斜面を滑りながら怪人軍団相手に滝が互角(?)に戦う(28分頃)。 オリジナルのじごく大使のメイクに比べれば大杉漣のは全然ナチュラル気味だった。 ヒロインのひとりは高見エミリー(殆ど出番・見所なし)。

Florian Donnersmarck「ツーリスト」雑感

Florian Donnersmarck「ツーリスト」Netflix 2010年公開 導入部はアクション・移動・街ロケ中心に展開していて悪くないが、後半、Angelina Jolieの正体が判ってからは失速気味。狙って70〜80年代の優雅な映画を目指しているのか、何事につけテンポが緩やか(編集・アクション・展開)。屋根を逃げるアクションも、モーターボートのアクションもスピード感がないので切迫感は伝わってこない。 Angelina Jolieはまだまだattractiveではあるが、諜報員と言う正体が判った後もアクションシーンがないのはどうなのか?どこかでララ・クロフトになるに違いない、と思って見ていたのだが…。 気取った意味ありげな台詞とベニスの風景を優雅に楽しむべき作品。2019年夏の僕の生理にはあまり合わなかった。Angelina Jolieと Johnny Deppで 今作のリズムなら、犯罪スリラーでなく、普通の恋愛ドラマの方が楽しめた気がする。

山田稔「仮面ライダーV3対デストロン怪人」雑感

山田稔「仮面ライダーV3対デストロン怪人」Hulu 1973年公開 上映時間32分の中編(夏の東映まんがまつり)。 オープニングロールで1号2号V3が並走。 TVシリーズと同じ主題歌・BGMを使用。 7分30秒頃から使われる管が軽快な曲は耳に残る良曲。 ナレーションと台詞でさんざん説明されるが、サタンニウム(今作のマクガフィン)がデストロンの世界征服にどうつながるのか、いまいちよく判らない。高知城に地図を隠すくだりはいくら子供向けでもどうかと思える稚拙な展開w あまりにも唐突な1号2号の登場(25分頃)。1号2号は変身前の姿では登場しない。 ライダーダブルキックからのV3キック(28分頃)。 「仮面ライダーV3」は初めてリアルタイムで見る仮面ライダーとして結構真剣に見ていたのだが、ドクトル・ゲーがTVシリーズでもの「仮面ラーイダ」という言い方をしていたかどうか記憶がない。 当時流行のロングのセンター分けのヒロイン小野ひずる、スタイルは良い。超ミニのワンピース、エピローグのビキニは遠目でほんの一瞬。

神代辰巳「地獄」雑感

神代辰巳「地獄」Hulu 1979年 予算の都合か地獄の描写はいかにもセットでコントのようなルック。 主要登場人物みな怪演、淡々と不気味なのはやはり 岸田今日子 。 ヒロイン原田美枝子は体はすっかり成熟(公開当時21歳)、 後ろ姿の肉感的なヌードを披露する入浴シーンは28分頃。 内容にそぐわないシンセっぽい音楽(57分頃)。 カリオストロの城のような地下の部屋に落とされるシーンはなかなかのびっくり演出(68分頃)。 映画の内容にあっているかどうか判らないがエンドロールの歌はなかなか良い(歌い方が良い)。

William Bindley「ラスト・サマー この夏の先に」雑感

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William Bindley「ラスト・サマー この夏の先に」Netflix 2019年 「アメリカン・グラフィティ」「初体験リッジモントハイ」に連なるひと夏の青春群像。 今作は高校卒業〜大学入学までの夏。1970年代から一貫して大好きなジャンル。 ストーリーはくっついたり離れたり復縁したり初体験を果たしたり進路に悩んだり、ひたすら他愛なく、女優がattractiveでさえあればOKな類の映画。ムードと音楽と出演者の様々な感情(表情)を味わう事にただただ身を委ねる。 ヒロインMaia Mitchell(映画監督志望)は、鼻から口元にかけてファルコンだが、完璧な整形美人顔よりもよほどattractive。タイトなパンツルックの後ろ姿。 サブヒロインHalston Sage(インターン、野球選手と交際)は、他の作品で何度か観ているが、相変わらず抜群にattractive。Kristy McNichol系のモデル体型。 Sosie Bacon(ベビーシッター)はKevin Baconの娘、Kevin BaconよりもMark Wahlbergに似ている。 父親の浮気相手はガールフレンドの母親だった、という話は前例があった気がするが思い出せない。 子役の母親が出演していた映画「Sixteen Candles」の日本語訳(字幕)「16本のロウソク」 は何かの冗談か? 言うまでもなく「Sixteen Candles」は「すてきな片想い」なのだが…。 初体験リッジモントハイ 女優(海外)

橋本一「新・仁義なき戦い 謀殺」雑感

橋本一「新・仁義なき戦い 謀殺」Hulu 2003年公開 高橋克典の経済ヤクザvs渡辺謙の武闘派ヤクザ。 オジリナルに寄せたルック。オリジナルの音楽のジャズっぽいアレンジ。 深作欣二監督作品以外の中では一番楽しめた。 金子信雄的キャラの小林稔侍、最初の唐突なオーバーアクティングは悪くないが、 戦争の話を長々と語られると途中で飽きて来る(話が長い)。 夏木マリの強烈なキャラ、メイク、服装。 「池袋ウエストゲートパーク」からそのまま出世したような坂口憲二。 渡辺謙の台詞「暴力団から暴力取ったらただのゴミやで」 もうひと工夫できないか? (「ゴミ」の部分) 発泡シーン多過ぎ。銃撃戦に一般人が巻き込まれ過ぎ。 遠藤憲一のナレーションがなんとなくいまいちしっくりこない。

金田治「仮面ライダー1号」雑感

金田治「仮面ライダー1号」Amazon 2016年公開 新旧ライダーとショッカーがノバショッカーと戦う。 最大の見どころは藤岡弘の変身(効果音はほぼ当時と同じ、22分頃、79分頃)。 当時の音楽はエンドロールの主題歌のリメイクのみなのが非常に残念。 音楽は総じて劇伴レベルで特に耳に残る曲はなかった。 CGがチープでテレビ番組レベルのルック。 アクションシーンでカメラが動いて見ていて疲れるショット多数。 本郷猛火葬シーンの櫓はダース・ベイダーのそれに似ている?(68分頃) 仮面ライダーゴーストになる若い俳優の演技力は若さを際立たせる演出か? ヒロイン岡本夏美(立花藤兵衛の孫)、下肢が長いモデル体型、 顔は角度によってはattractiveで高校の制服(ミニスカート)で魅せる。 ショッカーに捕まった時の服装(デニム)は残念。 ノバショッカーの長澤奈央はすっかり顔が大人になった。 地獄大使の大杉漣のメイクは一歩間違えればゲイバーのショータイムw 「本郷、俺との決着はどうなる?」 「身体をいたわれ、地獄大使」はちょっと笑った(88分頃)

阪本順治「新・仁義なき戦い。」雑感

阪本順治「新・仁義なき戦い。」Hulu 2000年公開 オープニングロールにオリジナルのテーマ音楽(新アレンジ)が流れてグッと来るが本編では使用されない。全編この作品のメインテーマ音楽(「キル・ビル」のテーマ曲に使われた曲)中心に展開した方が統一感があったかも。 このメインテーマ音楽がとにかくかっこいい。なぜかスローモーションにハマる。 この曲が世に出ただけでもこの映画が制作された意義はあった。 岸部一徳の金に細かい親分、金子信雄程には笑わせない。金子信雄は唯一無比。 大和武士の演技が意外に良い。豊川悦司と1対1のシーンでも見劣りしない。 曽根晴美、織本順吉出演。 少年時代の強烈なエピソードが描かれる長いアバン(約7分)。 「その後の仁義なき戦い」から21年、かつてのディスコはクラブへと変遷(31分頃)。 布袋寅泰が墓参りをするシーンの爪弾くギターの音楽はなかなかの良曲(53分頃)。

「グレート・ハック SNS史上最悪のスキャンダル」雑感

Karim Amer&Jehane Noujaim「グレート・ハック SNS史上最悪のスキャンダル」Netflixオリジナル 扱っている題材は非常に興味深いのだが、 周辺をなぞっているだけで焦点が絞りきれていないように感じた。 ビッグデータを扱っている側の心理なのか、データによって洗脳される側なのか? facebook上に個人ターゲティングでフェイクニュースを大量に投下してある方向へ誘導(洗脳)する、その具体的な方法論にもっと深くつっこんで欲しかった。 例えば人間のタイプによって、フェイクニュースの内容・演出・投下場所などが 微妙に異なる、なんて事があったりするのか? facebookから流出したデータを扱う会社に在籍していたという女性が一番多く語る。 この女性がお世辞にもグッドルッキングとは言い難く、 多用されるクロウスアップの度に鑑賞意欲が失せていく。 この女性が語っている事が全て真実かどうかも僕には判らない。 SNSを利用する事によって個人データが抜き取られて勝手に利用されているらしい、 という事は2時間近いこの作品を見なくても殆ど誰でも知っている。 その具体的な方法論的な何かを期待したのだが、 その点に関しては、ほぼ期待外れだった。 もしもこの作品全体が実はフェイクだったとしても僕には真偽は判断できない。

工藤栄一「その後の仁義なき戦い」雑感

工藤栄一「その後の仁義なき戦い」Hulu 1979年公開 根津甚八、宇崎竜童、松崎しげるの友情と裏切り。 <仁義なき戦い>を冠しているが深作欣二シリーズとは全く異なるムード、ルック。 叙情的なサックスによるセンチメンタル(音楽・柳ジョージ&レイニーウッド)。 ぼそぼそ語るモノローグ、過去をふりかえるモンタージュ、時間経過モンタージュは、 いずれもオリジナル5部作には多分なかった手法。 サタデーナイトフィーバーなムードのディスコ(10分頃)。 根津甚八とヒロイン原田美枝子(宇崎竜童の妹)が結ばれるシーン、 実際に航行中の船内で撮影されているように見えるショット(24分頃)。 金子信雄、成田三樹夫、松方弘樹、山城新伍出演。 ラスト間際に安居酒屋で根津甚八に話しかけて来る萩原健一は強烈な印象。