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タナダユキ「ロマンスドール」雑感

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タナダユキ「ロマンスドール」角川文庫 2019年(単行本2009年発行) タナダユキ自身の脚本・監督による映画版をNetflixで2000年の夏に鑑賞。映画は、アートを志向していまいちうまく行かなかった作品という印象を持ったが、この原作に対しても同じような印象を持った。純文学を志向しているが、割合としてはラノベレベルの文章が多く、結果として中途半端な作品になってしまっているような。 主人公は園子のどこに魅かれて結婚を決意したのだろう?  ルックスは語られている。ルックスだけなのか?  そもそも出会ってから結婚に至るまで、主人公と園子は血の通った会話を殆どしてない。 園子が主人公のどこに魅かれたのかもよく判らない。 別にルックスと肉体だけに魅かれて結婚した、という話でも良いのだが、それなりに周囲の人間も登場して、相対化させようとしているものの、根本の話が曖昧なので、全体的にぼやけてしまっている印象。 映画版を見た時にも感じたが、セックスレスとか浮気とかの話も不要で、妻とラブドールに対する狂気の愛が等価に偏在して(主人公にとってその2つが全て、その2つが満たされれば他に何も要らない)、妻の死後に妻に似せたラブドールを完成させて彼岸に行って戻ってこれなくなる所に着地する方が、ありがちと言えばありがちだが、妻とラブドールを同じ女優が演じる映画の嘘でそれなりに狂気の愛の新しい形は描けたのではないか。 とにかくこの作品を映像で表現するなら女優のヌード必須。 その意味でも映画版は中途半端な作品だった。

根岸吉太郎「遠雷」雑感

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根岸吉太郎「遠雷」1981年公開 U-NEXT配信中(2021.11.26現在) 81年公開だが、ルック・ムード・音楽は70年代。 80年代中ばに深夜のテレビで放送を見たような気がするが、記憶が定かではない。石田えりの肉感的なヌードとラストの歌以外は殆ど覚えていなかった。80年代中ばに見たとしたら、藤田敏八「 妹 」と同様に、画も話もビンボったらしい、という感想を抱いたのではないか、と想像する。 この作品も「妹」と同様に、いま見ると全然違う感想。 一番魅かれるのは当時の風景、クルマ、家具など。 主人公・永島敏行が乗る黄色いスポーツカー。 ビニールハウスにかけられている黒いラジカセ。 妊娠した子供を産む=女性の幸福という基本概念ありきで成立する会話(91分頃) 多分2021年の青春映画にはそのままでは通用しない。 ラストの「わたしの青い鳥」になんとも言えない感傷を覚えて動かされた。 なぜ動かされたのかはよく判らない。 一緒に歌って心が通じたような気がしても所詮その時だけかもしれない、という寂しさか?  今夜は美しい花嫁もいつかは祖母のように朽ちていく。 繰り返し登場する「水」が何を示しているのかはよく判らなかった。 公開当時20歳〜21歳のヒロイン・石田えり、個人的にはさほどツボではないルックス・体型だが、充分にattractive。映画前半から出し惜しみなし。モーテルに入る直前のクロウスアップ、ふてくされていながらどこかに満更でもない部分を含んだような顔で、クルマのフロントガラスがいい感じのソフトフォーカスにもなっていて妙に魅かれた(33分頃)。 遠雷 作品データ 石田えり プロフィール

三池崇史「土竜の唄 潜入捜査官REIJI」雑感

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三池崇史「土竜の唄 潜入捜査官REIJI」2014年公開 Amazon マンガが原作である事は知っていたが、仮に予備知識一切なしで見ても、最初の数カットでオフビートな作品である事が示されるので、「ぐらんぶる」に比べれば、断然入り込みやすい。 マンガ・アニメノリでやるなら、このレベルまで、大袈裟演出・オーバーアクティング に振り切ってくれた方が割り切って楽しめる。「ぐらんぶる」は中途半端。 土竜の唄 作品データ

英勉「ぐらんぶる」雑感

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 英勉「ぐらんぶる」実写映画 Amazon 予備知識なしで鑑賞。 冒頭から繰り返される全裸のタイムリープ!? の真相は、泥酔して野球拳で何度も全裸にされた、という事らしい。どんなに泥酔してもそこまで記憶を失う事はないと思うのだが、つまりはそういう世界観の話、という事なのだろう。 全編続くマンガ・アニメノリの展開・演出はどうにも好きにはなれないが、海と女優はきれいなので、なんとなく眺める分にはいいかも。鍛えている男性の裸もたくさん登場する。 酒に酔った与田祐希が金属バットを振り回して暴れるシーン、台詞や動きが程々の乱暴なレベルにとどまっているのでそれほど弾けない。バットを振る速度はポスプロで加工してでももっとヤバい速さにして欲しかった。 ぐらんぶる 作品データ

「Fear the Walking Dead」シーズン6 雑感

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 「Fear the Walking Dead」シーズン6 Amazon 基本構図はモーガンvsバージニア。 そこにいくつかの勢力が絡む。 最近の傾向として昔の作品(80年代前後)の事は覚えていても、最近見た作品ほど、細かい内容は思い出せない事が多いが、この作品も、前シリーズを見たのはごく最近の筈なのだが、殆ど内容を覚えていない。登場人物の名前もちゃんと記憶しているのはモーガンだけ。顔を見た記憶はあるのだが、名前も設定も思い出せず、そもそも本家Walking Deadの方に出ていたか、こっちに出ていたのかの記憶さえあやふや。登場人物が多くてどんどん途中で死んでいくのである程度は忘れてしまっても仕方がない気がするが、それにしても忘れすぎな気がする。

川上弘美「溺レる」読書メモ

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川上弘美「溺レる」文春文庫 (単行本1999年発行) 川上氏の作品を読むのは多分初めて。 独特なテイストの8つの短編は、いずれも女性主人公と相手男性の奇妙な関係を描く。カタカナで表記される男性の名前は各作品で異なるが、ひとりの男性の相似形と読めなくもない。 短編と言えども小説にある程度は存在すると思われる定型・形式のようなものから自在に遠く離れて、通常の現実世界とは微妙にずれたどこかを漂っているような構成と筆致になんとも言い難い魅力がある。 全ては唐突に始まって唐突に終わる。 前触れようなものは夢で曖昧で見た。 人生も終わってみれば多分そんな感じ。

Denis Villeneuve「DUNE デューン 砂の惑星」雑感

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Denis Villeneuve「DUNE デューン 砂の惑星」2021年公開(109シネマズ二子玉川) かなりアート寄りの圧倒的世界観。 独特な音楽が素晴らしい。 中近東・アフリカの民族音楽・宗教音楽の趣。 破滅的・呪術的・終末的なムード。 映画館で観て、世界観と音楽を全身で浴びてムードに浸って体感したい作品。 今回は普通の2Dで観たが、池袋のあのスクリーンで観れば更に強烈かも。 長めのカタカナ言葉は「エターナル」同様に覚えられないw STAR WARSの<フォース>みたいに短い簡単な言葉ならいいのに。