根岸吉太郎「遠雷」雑感

根岸吉太郎「遠雷」1981年公開
U-NEXT配信中(2021.11.26現在)

81年公開だが、ルック・ムード・音楽は70年代。
80年代中ばに深夜のテレビで放送を見たような気がするが、記憶が定かではない。石田えりの肉感的なヌードとラストの歌以外は殆ど覚えていなかった。80年代中ばに見たとしたら、藤田敏八「」と同様に、画も話もビンボったらしい、という感想を抱いたのではないか、と想像する。

この作品も「妹」と同様に、いま見ると全然違う感想。
一番魅かれるのは当時の風景、クルマ、家具など。
主人公・永島敏行が乗る黄色いスポーツカー。
ビニールハウスにかけられている黒いラジカセ。

妊娠した子供を産む=女性の幸福という基本概念ありきで成立する会話(91分頃)
多分2021年の青春映画にはそのままでは通用しない。

ラストの「わたしの青い鳥」になんとも言えない感傷を覚えて動かされた。
なぜ動かされたのかはよく判らない。
一緒に歌って心が通じたような気がしても所詮その時だけかもしれない、という寂しさか? 
今夜は美しい花嫁もいつかは祖母のように朽ちていく。

繰り返し登場する「水」が何を示しているのかはよく判らなかった。

公開当時20歳〜21歳のヒロイン・石田えり、個人的にはさほどツボではないルックス・体型だが、充分にattractive。映画前半から出し惜しみなし。モーテルに入る直前のクロウスアップ、ふてくされていながらどこかに満更でもない部分を含んだような顔で、クルマのフロントガラスがいい感じのソフトフォーカスにもなっていて妙に魅かれた(33分頃)。









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