川上弘美「溺レる」読書メモ

川上弘美「溺レる」文春文庫 (単行本1999年発行)

川上氏の作品を読むのは多分初めて。
独特なテイストの8つの短編は、いずれも女性主人公と相手男性の奇妙な関係を描く。カタカナで表記される男性の名前は各作品で異なるが、ひとりの男性の相似形と読めなくもない。

短編と言えども小説にある程度は存在すると思われる定型・形式のようなものから自在に遠く離れて、通常の現実世界とは微妙にずれたどこかを漂っているような構成と筆致になんとも言い難い魅力がある。

全ては唐突に始まって唐突に終わる。
前触れようなものは夢で曖昧で見た。
人生も終わってみれば多分そんな感じ。




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