2023.04.09(日)パンダコパンダ

清宮と野村の連続本塁打を見て、野球テレビ観戦を中断して散歩に出る。ひなたは初夏の陽気、ひかげで風が吹くと長袖3枚でもそれなりに寒さを感じる。洗足池の桜はほぼ完全に散ってしまっていた。

夕食前、U-NEXTでパンダコパンダ2本。初見。
アニメ雑誌を買い漁っていた1980年前後に何度も噂のみ聞いていた作品。
「パンダコパンダ」(1972年)34分
「パンダコパンダ 雨ふりサーカスの巻」(1973年) 38分
クレジットは、原案・脚本・画面設定が宮崎駿、演出が高畑勲。
1作目は設定も構造も展開も相当に「トトロ」。
2作目でトラちゃんを探しに来たサーカスの2人組の片割れの顔と演技は宮崎ルパン(声は山田康雄)、主人公の少女は「どろぼうさん」と呼ぶ。トラちゃんとコパンダ初対面の演出は「コナン」のコナンとジシー初対面の演出と共通部分多数。2作目後半、大雨で水が溜まって家の周囲が湖になってしまう世界はまんま「ポニョ」。主人公の天真爛漫な少女の声は「ハイジ」の杉山佳寿子。
この作品と「トトロ」以降を見比べれば、絵も内容も小学校低学年以下向けに作られていた「テレビまんが」と呼ばれていたコンテンツが、大人も楽しめる「アニメ」というコンテンツに成長した事が如実に判る、といまでは言えるが、「ラピュタ」や「トトロ」を公開時に映画館で観ていた20歳の頃の僕は「こういう昔の作品の焼き直しの子供向けなのはもういいよ」と思っていた。
20歳の頃の僕は、アニメ作品の最も根本的な魅力は「絵が動く事の楽しさ」にある事をちゃんと理解する事なく、ただただ大人向けのストーリーを求めていた青二才だった。「絵が動く事の楽しさ」をデビュー当時から一環して重視して作品を作っている第一人者は、言うまでもなく、宮崎駿御大。多分今年の夏の新作も、50年前のこの作品と絵柄や動きの根本は変わっていない筈。

「ラピュタ」や「トトロ」を公開当時に映画館で観た時の心境をもう少し深堀りすれば、その時に期待していたのは「カリ城」をもっと大人っぽく、スタイリッシュにしたような作品で、「ラピュタ」も「トトロ」も子供が主人公な時点で醒めていて、「ラピュタ」に関しては、面白くない事はないけど「コナン」「ルパン」「ナウシカ」の焼き直しばっかりだなぁ、と感じていて、「トトロ」に関しては、アニミズム的なテーマや魅力に関して全く掴めていなかった気がする。時代は後にバブルと呼ばれた時代に入りかけた80年代後半、20代前半の僕は、ひたすら新しいもの、次の時代に繋がるようなものを求めていて、「トトロ」や「夏子の酒」のような作品は田舎が舞台な時点で気分として受け付けがたい心境だった気もする。あの時代のあの年齢でなければありえなった心境。




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