2023年2月24日(金)雨鶏/ベター・コール・ソウルほか

◯2023年今後の予定
03/09木 WBC(~3/22)
07/14金 君たちはどう生きるか(宮崎駿)
07/22土 サッカー女子W杯
08/25金 バスケW杯(~9/10)※日本/フィリピン/インドネシア共催

09/08金 ラグビーW杯(~10/28)※フランス


◯芦原すなお「雨鶏」ヴィレッジビックス
過去に少なくとも3回は読んでいる大好きな本だが、例によって、具体的な内容は殆んど覚えていない。覚えているのは、貧乏な大学生の安アパートに友人が遊びに来てわちゃわちゃするという印象だけ。
芦原すなおが20歳なる年である1969年の夏から始まる全9話の連作短編。雑誌連載開始の94年は45歳になる年。45歳と言えば、僕の場合は、青春の残滓も消えてぼんやりと老いを感じ始めた頃。多分全9話大きな事件は起こらず、いきなり訪ねてきた友人と安酒場や部屋で飲む。青春から遠ざかる程に染みる。
①壁の花 神戸から来た高校時代の友人と赤坂プリンスのパーティーに行く話
P10地の文「時間は無限にあった。その感覚が愉快だった。夏は始まったばかりなのだ」大学2年か大学3年の夏には僕もこんな感覚を味わっていた。はるか昔だが先週の事のように思い出せるあの頃。その5年程前、中学2年の1学期が始まったばかりの頃(始業式の日だったかもしれない)、英語が得意なショートカットのクラスメイトのS.Yが、放課後、黒板に「Youth comes but once.」と書いて、「私が好きな言葉。意味判る?」と訊かれたが、Youthの意味が判らなかった。「青春は二度と来ない」という意味を真に実感したのは、青春が本当に終わってしまった後だった。
②エキストラ 友人と一緒にドラマのエキストラに参加する話
P62助監督イケちゃんの台詞「どうせ絵空事なんだよ。イリュージョンなんだ。人生自体がそうじゃないか」イリュージョンのど真ん中(青春)にいる時はそのイリュージョンに気づけず、そのイリュージョンがいつまでも続くように感じている。石上の美人の妹初登場。
③雨鶏 女の子にフラれた友人が鶏を持って雨の中を歩いてくる話
表題作。毎回捨て身で登場する愛すべき友人(安根)が喫茶店の女の子を誘うがドタキャンされる。石上の美人の妹あーちんが部屋に来る。金持ちの友人の美人の妹がなぜか主人公に優しく接近してくる、という夢のような展開は、現実ではなかなか起こり得ないかもしれないが、小説ならいいのである。こんな事が起きたらいいなあ、という事を、面白おかしくかければ、それは、充分に売れる可能性がある小説になる筈。

◯Netflix「ベター・コール・ソウル」S3#4#5

・#4冒頭でヘクターとカルテルのボス。

・#5はジミーの資格に関する聴聞会(一見ミニ裁判)。

・「ブレイキング・バッド」は全5シーズン。その前日譚のこのシリーズは全6シーズン。メインパート3人以上を同じ俳優が演じた前日譚シリーズが6シーズンにも及ぶ作品って他にもあるのだろうか…?  
・「ブレイキング・バッド」と「ベター・コール・ソウル」に共通する大きな魅力は画の力(production design)。一見いかにもセットに見えるショットは記憶では1ショットもない。天井からの画があるジミーの狭いオフィスはセットなのだだろうが、あの部屋さえ、一見いかにもセットには見えなかった。

◯文化放送「おとなりさん」
アンガ山根「どこまでが愛があるイジリでどこから本人にとってイジメになるのか、その境目が難しい」みたいな話。つきつめれば、相性の問題もあるだろうし、受け取る側の気分によってはどんなホメ言葉だって当人にとっては嫌味に感じられるかもしれない。個人的にはこの件に関する昨今のセンシティブすぎる風潮には疑問を感じる。誰も絶対に傷つかない表現なんて多分ない。気にし始めたら誰に対しても何も言えなくなる気がする。

◯TBSラジオ「アフター6ジャンクション」
映画批評は「アントマン」最新作。この世界の物理ルールがどうなっているのかよく判らない部分は多々あるが、大長編ドラえもんみたいな話なので云々(文言の細部はうろ覚え)。自宅で鑑賞するとついつい物理ルールが気になってしまう事はよくあるので、細かい事をあまり気にせずに映画館で観た方がよさそう。

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