金子修介「百合の雨音」雑感

金子修介「百合の雨音」HT渋谷 木管とピアノと弦のジブリ(トトロ)っぽい音楽が非常に印象的。 どことなくアニミズムを想起させるこの音楽が、合っているような合ってないような、何度も流れるうちにだんだん合っているような気がしてくる。この音楽は、女性同士の性愛シーンだけに使われていて、男と女の性愛シーンは無音だった気がする。 出版社が舞台の歪んだ四角関係の話。 誰も本気で愛してない、と思いきや、そうでもない事が後半判明。 小説家志望の男性の母親は誰なのか? おそらく過去の出来事としてモノクロで描かれる制服姿のふたりの女性、ひとりは主人公だと思って観ていたが、そうではなく、どちらかが小説家志望の男性の母親で、どちらも生まれ変わっていた、という事なのか?? 世の中にアダルトビデオもレンタルビデオ店も存在していなかった頃、映画館で初めてロマンポルノを最前列で観て、その性愛シーンに10代後半の僕は素直に興奮していたが、あれから40年、ネットで無限に見られるようになったいまは、一般映画のソフトな性愛シーンはむしろドラマ進行の妨げと感じる事さえあるが、この作品の女性同士の性愛シーンは、繊細な照明と奇妙な音楽で、性的な興奮こそないが、まずまず楽しめた。ホテルの部屋の照明がそうなっているという設定なのか、主人公と室長の裸体を照らす光が、赤っぽい色〜青っぽい色に微妙に変化。このライティングと前記の音楽で、なんともいえない不思議な境地に誘われた。