Netflix「ストレンジャー・シングス」シーズン4 雑感

Netflix「ストレンジャー・シングス」シーズン4

劇中年代はシーズン1の3年後(1986年)という設定だが、実際は6年経っているので主人公たちの15歳前後設定はちょっとキツい(特にマイク役)。実際は20代後半のジョナサン役とナンシー役の10代後半設定は相当キツい。

ドラマシリーズの1話は45分でもちょっと長い、35分前後で充分、と思っているので、今シリーズの各話ほぼ70分以上はいかにも長い。各話に冗長に感じる部分が数ヵ所ある。

今シリーズの基本構成は一度別れていた仲間が再集結する話、再特訓して力を取り戻す話。基本的によくある話なので細部を膨らませるのは別に良いのだが、配信なのだからどう編集しても良いのを長尺にまとめる必然性が判らない。見る側としては話数が増えても、1話の長さは40分前後が望ましい。ひょっとして演者のギャラの問題?(1話ごとの計算)

第8話はさらに伸びて85分、ひとつの話にまとめる必然性があるようには思えず、1〜7話に比べてさらに冗長に感じた。イレブンがいる施設が別の勢力に襲われる最後の方まで、ほぼ準備と説明だけの展開。

ミドルティーンの頃は相当にattractiveだったWinona Ryder、イジリの問題なのか、目のあたりが不自然で顔がとても怖く見える。署長とWinona Ryderの話は別になくてもいい、あってもせいぜいコメディリリーフ的扱いで良いのではないか、と最初からずっと感じているのだが、今シリーズでも最後の重要な所に絡んできそう。

第9話(シーズン4最終話)は、最近は映画でも長く感じる150分というありえない長尺。これまでの70分以上の回と同様、1話40分程度になるように分割しても特に問題がないように感じた。

今シリーズは長い割にはコミカルな部分は減った印象。前シリーズのリッジモンドハイなプールのような判りやすい笑えるシーンはなかったようだ。愛と友情が奇跡を呼ぶ少年ジャンプ的な(とりあえずの)勝利自体は別に悪くはないのだが、そこに至るまでが冗長で、EP8レイ&ルーク問題(戦っている者の実体はその場にいない)もあって、どーんと盛り上がる感じではなかった。

最後の方で影の主人公のように署長が戻ってきて場をさらうような過剰演出。署長はこんなに重要キャラでなくてもいい(あえて言えばいなくてもいい)という感想はシーズン1からずっと変わらない。少年少女の冒険という構造に集約して、大人は基本的に全員主人公サイドにいない方が構図がすっきりする。

8話9話の直前に見た「ピースメイカー」も含めて、この手の作品に「スターログ」を愛読していた10代〜20代前半の頃ほどには魅かれなくなっているのは間違いない。これは完全に年齢の問題。時間だけは無限にあるように感じていた大学2年の夏休みに見ていたら長尺はむしろ歓迎だったかもしれないが、人生の残り時間をはっきり意識せずにいられない50代半ばのいま、どんなコンテンツでも、なるべく短い時間に無駄なく面白さがぎゅっと詰まっていて欲しい、つまり、野球は6イニング、サッカーは30分ハーフ、ドラマの1話は15分〜30分、映画は75分〜90分でいい、と思ってしまう。

こういう作品は、80年代以前なら、B級SFとして低予算で作られて、それこそ「スターログ」を愛読するような人しか見なかった可能性が高い。それが、これだけ世界的に多くの視聴者数を獲得してメジャーな存在になっている事に関しては、ただひたすら隔世の感。VFXとネットの進化は作品を取り巻く全てを変えた。今後に期待するのはこういう作品をVRシアターで「体験」する事(尺は短くていいので)。


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