田中絹代「月は上りぬ」雑感
田中絹代「月は上りぬ」1955年公開
Amazonで鑑賞。初見。
基本的な展開とムードは小津的(脚本のひとりは小津安二郎、音楽は斎藤高順)。斎藤高順の
緩やかな音楽には、「秋日和」か「秋刀魚の味」で使われていた音楽と殆ど同じメロディラインの曲があった。
時々小津っぽい正面バストショットはあるものの、画は基本的には小津とは異なり、普通の高さのカメポジ多数。イマジナリーラインの越え方も小津とは異なり、ふたりの人物をロングで捉えたショットで逆側にまたぐ(数回あり)。
杉葉子も北原三枝も、親に相談する事なく、自分たちの意思だけで恋愛結婚を決めるのは、この当時としては最先端?
ふたりの女中さんに対する態度と言葉使いに、この当時は身分制度が厳然と存在している事を
再確認(小林信彦によれば身分制度が崩壊して行くのは1960年代以降)。
冒頭とラスト間際で寺で集団で唱えていたお経のようなのはなんだろう?
笠智衆がクラス会でやっていた詩吟とは調子や抑揚の感じが違うように聞こえるのだが。
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