市川崑「あの手この手」雑感

市川崑「あの手この手」1952年公開

冒頭、仕事が忙しい妻(水戸光子)と、
そうでもない夫(森雅之)のすれ違い気味の生活のように見えて、
夫婦関係修復の話(または破綻)と予想するが、
その後の展開・着地はやや曖昧。

2020年の視点で見ると、ほぼ同時期の「自由学校」に比べると、
人物もストーリーもあまり新鮮味がなく、
程々の対立/確執の展開で程々の所に着地。
都会的ソフィスティケイテッド・コメディを志向して、
あまりうまく行かなかったような。

カメラの動きや字幕の使い方に、オーソドックスとは言い難い部分あり。
・流れる字幕(37分頃)
・高速トラックバック(90分頃)

アプレ娘かと思いきや「就職して独立はしたくない」などと言う、
とらえどころがない若い女の子(親戚の子)の久我美子(1931年誕生)、
けっこう老け顔なので、後年の「無邪気な関係」の母親役とあまり変わらない印象。

近所の医者の伊藤雄之助が異彩を放つ。

子供がいない夫婦の家に親戚の若い女の子が転がり込んで来る展開は
成瀬巳喜男「めし」にちょい似。




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