大林宣彦「廃市」雑感

 大林宣彦「廃市」1983年公開


ストーリーよりもムードを楽しむべき作品。
平日昼間の客が少ないミニシアターでひとりで観てどっぷりと浸りたい。

公開当時にそれこそ文芸地下あたりで観た記憶があるのだが、やたらと運河?水路?が出てきた事以外は何も覚えていなかった(ある意味間違ってはいない記憶w)。

青春(夏)の記憶の美しさ・儚さ・ある種の残酷さ。

例によってはっきり特定できない劇中年代。
実際にロケを行っていたのは1983年なのだろうが、もっと全然昔にも見える。
ウォークマンの若者、テクノカットの若者は多分登場しなかった。

狂言回しの主人公・山下規介の棒演技は多分確信犯的演出。
その数十年後の語り(大林宣彦)は時にフェイドアウト気味で聴きとり難く。

一見朗らかなで清純なお嬢様の小林聡美、いつもより高めの声のトーン。
髪型・メイク・衣装・ライティングなどいろいろ頑張ってはいるのだが、正直、もっと鮮烈な美少女だったら<忘れられない夏>というテーマはより強まったのではないか?という気がしないでもないw

船頭・尾美としのりの忍ぶ恋心(身分違いの恋)、
他の大林宣彦作品でも同じような話があった気がするが、思い出せない。
尾美としのりの視点で再構成すると、どこか残酷な物語が浮かび上がってくる。
最終的には同じ身分の女性(旅館のお手伝いさん)を選ぶしかない?




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