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僕だけの先生(2017=城定秀夫)雑感

僕だけの先生(2017=城定秀夫)雑感 一緒に義父を殺した姉弟の歪んだ関係(最期にとどめをさしたのは多分姉)。 弟の企みを姉がエスカレートさせて家庭教師の女子大学生を監禁。 恒例のほのぼのコメディタッチではなくサスペンスタッチではあるのだが、底流にどこか微妙にふざけた感じがある。 例えば、トイレから赤ペンとトレペを投げて脱出するチャンスを伺うくだり、 音楽やカメラワークでもっともっとショッキングに描く事も全然可能だと思うのだが、 「多分姉ちゃんが拾って立ちふさがるんだろうな〜」と思って見ていると「やっぱり」というコントのオチ的な登場。 ヒロイン湊莉久は目と目の間が近い顔で、好みの顔ではないのだが、角度によっては充分attractive。バストの形がきれいなので2回ある騎乗位のアオリショットはグッとくる。 監禁されているうちに微妙に精神に異常をきたしている、とも解釈できるラスト。 和田みさ(姉)のぶっ壊れた演技が抜群。 訪ねて来たチャラい彼氏も殺されていれば物語的にはもっと安定する(救いがなくなる)がさすがにやりすぎか? 最近75分程度の映画を続けて見ているが、歴史大河ドラマならともかく、ひとつの軽い話であれば75分で充分で、不要な細部を削って各ショットをソリッドにすれば、45分でも語れると思う。こういう事を語るにはこの程度の尺が必要という生理的感覚が、過去に見て来た作品に由来するとすれば、YouTube世代にとっての映画は、よりスピーディーになって、トータルタイムも更に短くなって行くのではないだろうか? 個人的には、映画は、この作品のような小品45分、平均75分、大作で105分で充分。 昔は上映時間2時間以下だと物足りなかったが、最近はよっぽど豪華でよっぽど面白くない限り、90分を超えると冗長に感じる。

城定秀夫「妻の秘蜜」(2016年)雑感

城定秀夫「妻の秘蜜」(2016年)雑感 いつものほのぼのコメディタッチではなく、やや谷崎的文芸調で展開するも、 最後の最後はおなじみのムード(エンドロールでかかる曲もほのぼの系)。 老人の最後の性。息子の嫁の浮気。 最小限の登場人物。 谷崎「瘋癲老人日記」オマージュ。 昨日読んだ小林信彦「生還」にもどこか通じる要素。 本当のボケとボケているフリの間に明確な境界線はあるのか? ヒロイン天使もえのささやくようなエロキューションはなかなかの吸引力。 ルックス・スタイルも好みの女優。 天使もえの魅力だけでも充分に成立しているが、 父親役の俳優の容貌・体型には全く愛着を感じられず、 それが作品に対する愛着を阻害する大きな要因になった。 笠智衆は行き過ぎっぽいので北竜二に脳内変換しながら鑑賞w 3人の朝の食卓で話す父親(飯島大介)の声は不自然に大きい(演者の癖? 演出?)。 続いていく日常。1年あればいろいろな事ができる。 1年は1日や1時間にも置き換えられる。その連続こそが人生。 朝目が覚めて、何でもいい、何かやりたい事があれば、それは幸福な事。