城定秀夫「妻の秘蜜」(2016年)雑感


城定秀夫「妻の秘蜜」(2016年)雑感

いつものほのぼのコメディタッチではなく、やや谷崎的文芸調で展開するも、
最後の最後はおなじみのムード(エンドロールでかかる曲もほのぼの系)。

老人の最後の性。息子の嫁の浮気。
最小限の登場人物。
谷崎「瘋癲老人日記」オマージュ。
昨日読んだ小林信彦「生還」にもどこか通じる要素。
本当のボケとボケているフリの間に明確な境界線はあるのか?

ヒロイン天使もえのささやくようなエロキューションはなかなかの吸引力。
ルックス・スタイルも好みの女優。
天使もえの魅力だけでも充分に成立しているが、
父親役の俳優の容貌・体型には全く愛着を感じられず、
それが作品に対する愛着を阻害する大きな要因になった。
笠智衆は行き過ぎっぽいので北竜二に脳内変換しながら鑑賞w
3人の朝の食卓で話す父親(飯島大介)の声は不自然に大きい(演者の癖? 演出?)。

続いていく日常。1年あればいろいろな事ができる。
1年は1日や1時間にも置き換えられる。その連続こそが人生。
朝目が覚めて、何でもいい、何かやりたい事があれば、それは幸福な事。

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