川島雄三「お嬢さん社長」
川島雄三「お嬢さん社長」1954年 Hulu(初見)
ストーリーは相当御都合主義気味。
15分頃の美空ひばりと祖父の対立の会話は説明台詞乱れ打ち。かなり強引な設定・展開で大会社社長の孫娘の美空ひばりが社長になる。
クライマックス前のローポイント、会社を辞めて置き手紙(「さよなら」!? )で家出(?)する展開はなんだかよく判らない。これは脚本上は、実は会社の為の狂言って事なのだろうか? 悪徳社員にだまされる契約に関する時限爆弾が明確に設定されていないので、周囲が慌てて探す理由もすっきりしない。
毎度おなじみ「みんなが仲間の下町」は映画やドラマの中だけに存在する便利なファンタジー世界だが、割り切ってみればそれなりに楽しい。桜むつ子の出番はごくわずか。桜むつ子の娘役・小園蓉子はwikiによると「お茶漬の味」の女中ふみ。小園蓉子と美空ひばりがてけてんてん…と神社で踊るシーンは唐突でなんだか妙なおかしさがある(60分頃)。
16歳くらいの美空ひばりは(子役の頃もそうだったが)中年以降の面影濃厚。美空ひばりの歌には全てを補う魅力が確かにある。聴いているうちに映画全体のストーリーのご都合主義的展開がどうでもよくなってくる。この映画の「ドラマ部分」は新宿コマの2部構成の歌謡ショーの「劇の方」みたいなモノ(ありがちでOK)と理解すれば良いのだろうか。
美空ひばりプロフィール
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