2023.03.30(木)翔んだカップル

柳沢きみお「翔んだカップル」第8巻(1979年発行)
◯カバーそでの文言は「勉学と愛の峡に揺れる、青春を描く話題作」。だんだん大袈裟になってくる印象。<揺れる>の後の読点は要らない。そもそも、このコピーは、毎巻変える必要があるのだろうか? 
◯時系列は高校2年1学期~2学期開始。勇介と今川の2学期のクラス(成績順編成)は1つ上がって7組。圭は3組。本郷は5組。主人公・勇介の<勉学>に関しては、この巻にも「勉強しなくてはいけないのにできなっかた」という展開はあるが、そもそも、将来に何になりたいのか、どの大学を目指しているのか、明確には描かれていない。進学校なら2年進級時にありそうな文系/理系の振り分けも描かれていない。
◯勇介から杉村の話を聞いた圭は勇介を平手打ちする(P101)。交際しているわけでもないのに平手打ちするという事は、強烈な愛のメッセージなのだが、勇介と圭の微妙な微温湯的な関係は進展しない。この作品は、勇介と圭の恋愛がどうなるか、に着地すると思う(何度か読んでいる筈なのに覚えていないw)ので、長く連載を続けるにははっきり決着をつけない方がいい、という事なのかもしれないが、読んでいる側としてはかなりじれったい。いったん進展(セックス)してまた離れる、という展開があっても良さそうなのに、この巻でも、お互いにウジウジしている。圭は登場当初の天然キャラとはまるで別人。この辺は、セックスの問題をどこまで踏み込んで描いて良いかか、作者と編集もいろいろ悩んでいたのではないか、と想像する。
◯その他の主な展開。圭にはっきりフラれてバスケ部は撤退するが本郷は諦めない。アパートの隣の美大生は退場? 勇介の通い同棲を密告された杉村はひとり暮らしのマンションから親戚の家に引っ越す。 

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