岸恵子「30年の物語」読書メモ

岸恵子「30年の物語」講談社文庫 2003年発行

「徹子の部屋」のトークで頭の回転が早そうな人だな、と思ってはいたが、相当な文才。解説の町田康も触れているが、時間と空間を自在に往還する独自の文章。幼少時からの相当な読書量に支えられていると想像させられる表現力と語彙力。

1932年誕生だから小林信彦と同い年。
この本が刊行された1999年は67歳の年。

「30年の物語」はちょっと素っ気なさすぎ。
もう少し深遠さを感じさせるタイトルの方が良かった。

P184「あーら、まだ支度できてないの」という台詞。

ちゃんと読めば叔母の友人の台詞と判るように書いてあるのだが、最初はなんとなく叔母の台詞のように感じて読んでしまった。台詞だけを取り出せば、迎えに来た人の疑問調の台詞とも、支度ができていない人の台詞とも取れる。日本語は曖昧で難しい。







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