樋口真嗣「シン・ウルトラマン」雑感

樋口真嗣「シン・ウルトラマン」2022年公開

TOHOシネマズ渋谷で鑑賞。

ウルトラマンさえ国家の管理下に置こうとする政府・自衛隊関係者の悪戦苦闘を「シン・ゴジラ」と同様の手法で描く展開を予想していたが外れた。

「シン・ゴジラ」はゴジラvs人間でシンプルな構造だが、今作は戦うのは基本的にウルトラマンで、そこを補強する物語や人間ドラマはいまいちの感。

「シン・ゴジラ」の面白さと斬新さは、現実世界に本当にゴジラが出現したらどうなるかという話を、ファンタジー色と人間ドラマを排除して、ドキュメンタリー的なルックで最初から最後まで描ききった所にあったが、「シン・ウルトラマン」はそれに近い方法論を踏襲しつつ、いろいろ他の要素を取り入れて、全体的には逆に薄味になったような印象。

ウルトラマン(ウルトラきょうだい)は全面的に地球の味方かと思いきや、ゾフィーが太陽系ごと殲滅させるべくゼットンを出撃(?)させる、という驚きの展開。宇宙空間に佇むゼットンはエヴァの使徒風。

オリジナルのタイトル・音楽ががんがん使われる序盤は普通に楽しい。
シン・ゴジラ風太明テロップ出まくりは冒頭だけ(表示時間が短かすぎて読みきれないw)。

6月3日宇多丸さん、まずは褒めてから怒涛のダメ出し。全体的には若干否定寄り?
宇多丸さんは「冒頭で「シン・ゴジラ」とはリアリティラインが違うという事が判る」みたいな事を言っていたが、どこで判るのだろう? 僕はシン・ゴジラ風太明テロップでまくりの冒頭で「シン・ゴジラと同じ世界観で同じような展開なんだ」と思ってしまったのだが…。

○シン・ゴジラのタイトルがシン・ウルトラマンのタイトルにつながる
○シン・ゴジラ風太明テロップでまくり
上記2点を排除して「シン・ゴジラ」とは明確に違うルックで始まってくれた方が、最初から全く別系統の作品として楽しめた気がするのは、1回だけ観た現時点での素直な感想。




 

コメント

このブログの人気の投稿

島耕作メモ

サッカー日本代表 W杯本大会全戦績

「アリー スター誕生」雑感と妄想