宇佐見りん「かか」読書メモ

宇佐見りん「かか」2019年 河出書房新社

「推し、燃ゆ」が結構面白かったのでこちらも読んで見たが、こっちは正直微妙だった。

癖が強い告白体の変形のような文体。
方言なのか、家族内独自表現なのか、あまり見聞した事がない表現が、台詞だけでもなく地の文に混ざっている。自身を「うーちゃん」と呼び、語る相手(?)を「おまい」と呼ぶ。この手の独特表現が正直結構うざい。時に一読では意味が判らず、何度かその部分を読み返して、標準語の文章に頭の中で翻訳する。かと思うと、全く普通の表現に終始する文もあるので、一定のテンポで読み進められない。

家族のいざこざをあえて読みにくい文体と表現で描写する試みは、現に受賞もしているし、高度な読み手にはチャレンジングに映るのかもしれないが、僕は、普通の文体で読みたかった。 

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