岸善幸「あゝ、荒野」雑感
岸善幸「あゝ、荒野」 2017年公開
映画内劇的効果装置としてのボクシング。
映画ファンとしての僕は、ドキュメンタリー作品なら別だが、
エンタメ作品の映画やドラマならこういう描き方もあり、と思う。
ボクシングファンとしての僕は、とっくにレフェリーストップ、
現実にはありえない状態で試合が続くのは納得できない、と思う。
そんな揺れ動く思いを抱えて最後の試合を見ていた。
ボクシングの試合以外の要素には強烈に突き抜けているモノはないが、
菅田将暉の存在感(特に眼力)で魅せる。
角度によって若い頃の南果歩風の木下あかりのエロス(スタイルよし)。
何度かある菅田将暉と木下あかりの絡みはどこか70年代的な刹那感。
サブヒロインの今野杏南はグラビアではさほど魅力を感じていなかったが、
今作は非常にattractiveに撮られている(メイク、照明、アングル)。
ボクシングの試合のシーン、
当った瞬間で切り替わる短いショットの時は効果音の威力でかなり見られるが、
ヒキの長めのショットでは時にミッキー・ローク風猫なで。
過去パートはなんとなく説明的・再現VTR風。
菅田将暉の父親が自殺したシーンの号泣芝居は個人的好みとして好きになれない。
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