Woody Allen「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」雑感

 Woody Allen「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」2020年公開

雨のニューヨークで起こる約1日の恋愛模様。
Woody Allenが自分で演じそうな人物が多数登場する、
非常にWoody Allenっぽい作品。
ストーリーは正直不明瞭な部分が多いが、
雨降るニューヨークのムードは悪くない。
バス、クルマ、スマホが登場しなければ70年代以前の映画に思えるルック。

「笑い方が嫌だから結婚したくない」という兄の話、
「笑い方が嫌」はとにかくなんとなく結婚したくないという心理の方便で、 
実際は「婚約者とのセックスに飽きた、なんとなく結婚したくない、
もっと他に自分に合う女性がいるかも」という心理なのかもしれない。
なぜ1年以上もつきあったのか? という弟の問いかけに兄は明確に答えていない。

母親の過去の告白(売春婦だった)は、
ストーリーにおける効果、
Timothée Chalametの心理に与える影響がよく掴めなかった。
Timothée Chalametの世界が変わるほどのモノだったか? 
世界が変わるほどのモノでなかればクライマックスに置く意味がない。

Timothée ChalametがElle Fanningと別れて、
Selena Gomezを選んだ(ように見える)理由もよく掴めなかった。
母親への反発から本来の自分とは違う生き方(郊外の大学、ギャンブル)を
あえて志向していたのが、母親の告白で自分の本質に改めて気付き、
Elle Fanningの教養不足(シェイクスピアではない?)が決定打になった、
という流れを作っているように見えたが、
別れる決定的理由としては弱い(判りにくい)。

主人公がTimothée ChalametとElle Fanningに分裂していて、
結果的に両方とも中途半端になっているように感じた。
どちらも芸術に重きを置いてる人物のように見え、
教養の量はともかく、価値観の違いは明確に描かれていないので、
何が明確な恋愛の障害になるのかがよく判らなかった。
判りやすい話にするのなら、
Elle Fanningをもっと明確な上昇志向の俗物にする、
または「ハンナ…」のように不倫/浮気という障害を明確に置く。

Netflix「キング」で名前を覚えたTimothée Chalametは、
こういう繊細な貴族的キャラがよく似合う雰囲気。

ファニーフェイスのElle Fanningはなかなかattractive。
成り行きでイケメン俳優に身を委ねそうになるシーンで下着姿を披露。
このシーンは脱いだ服を持って逃げるだけの時間的余裕はあるように見えた。



コメント

このブログの人気の投稿

島耕作メモ

サッカー日本代表 W杯本大会全戦績

「アリー スター誕生」雑感と妄想