Mike Flanagan「ドクター・スリープ」雑感

 Mike Flanagan「ドクター・スリープ」2019年公開

エンタメとしてギリギリ及第点。
「シャイニング」の続編として色々楽しめる要素がある。

151分は長い。
エブラとダニーの出会いから始めて、
子供の頃の話、やさぐれていた時期、酒絡みの話など、
いろいろばっさり切るかフラッシュバックで語れば、
充分100分以内にまとまりそう。

<STAR WARS EP8・EP9問題>も結構気になった。
画面上は同じ場所にいるように見える2人の双方または片方が、
実際はその場所にいないという見せ方(超能力を使っている)。
映画における<対決>は実際にその場にいる事が重要。
「鬼滅の刃」はその場で互いに肉体を削り合っているから心が燃える。

2回の前哨戦でいずれもエブラがローズに勝利。
これも映画の原則からすると逆であるべきでは? 
追い込まれた主人公側が起死回生のアイディアで勝つべき。
起死回生のアイディアは今作で言えばホテルの幽霊たち。
2回前哨戦で負けたローズがホテルまで来る理由、
最後の対決の時に自信たっぷりな理由はよく判らなかった。
ホテルの幽霊たちはダニーの頭の中の箱に入っているのでどこでも出せるのでは?
原作にはホテルで出すとさらにパワーアップとか何か理屈があったのだろうか。

10話程度のシリーズを前半を重視してまとめた総集編のような印象で、
中盤までの丁寧な見せ方と終盤のバランスが悪い。
数千年も生きてきた悪者グループは簡単にやられ過ぎ。
銃で1発撃たれると肉体が消えて死亡していて、
銃で撃たれると一般人より弱いようにさえ見えたが、
なぜそうなるかのかは説明なし。
もし銃で撃たれても簡単に死ななければ、
ダニーとビリーは大ピンチだったのだが、
その辺りの戦術的説明はなく、
サブキャラに退場して貰う為のご都合的展開にも見える。

一時期のダニーが酒に溺れてやさぐれていた理由は示されていなかったようだったが、
酒を飲まないと箱が開く悪夢で眠れない、など何かあったのだろうか?
ホテルで父親(バーテンダー)が酒を「薬」と言ってすすめるシーン、
ダニーが酒を飲む=ダークサイドに堕ちる的な演出に見えたが、
ダニーと酒にまつわる何か重要な要素を見落としていただろうか? 

強力な催眠術使いの小悪魔的少女、
登場〜仲間になるまではかなり丁寧に描かれているが、
終盤以降は死ぬ間際以外は特に見せ場なし。
70年代の映画なら中盤にサービス的お色気シーンがありそうなキャラ。
Helena Bonham Carterに雰囲気似。

その他の疑問点など
◯「シャイニング」の音楽が多数使われていた(要確認)
◯仲間を増やせるのはローズだけだったのか? 
◯あのレベルの超能力を使えるのはローズだけだったのか? 
◯ローズが超能力を使えばもっと簡単に<狩り>ができたのではないか? 









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