小津安二郎「浮草」雑感

小津安二郎「浮草」1959年公開

中村鴈治郎と京マチ子の2回目のケンカ(80分頃)、
中村が京マチ子の背中をはたくなど、
1回目に比べて更にエスカレートするが、
あっさり京マチ子の方から仲直りしようとする。
コンプラと各種ハラスメントでガチガチに縛られた2020年の感覚で見ると、
「そこまで言い合って手も出されて簡単に修復できるの!?」と思ってしまうが、
結局はどこまでも役者である両人にとっては、
これは痴話喧嘩・一種のレクリエーション、
一歩ひいた所から見れば、互いの<怒った演技>の見せつけ合い、
と解釈するのが正しいような気がする。

2回目のケンカはケンカのままサスペンデットにして、
あれだけケンカしても、いざ舞台に上がってしまうと、
役者の本能が勝ってしまい、
怒った演技に更に磨きがかかってしまう、
みたいな展開も有りだったのではないか、と夢想。




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