吉川トリコ「夢で逢えたら」読書メモ

 吉川トリコ「夢で逢えたら」文春文庫 2020年発行


TBSラジオ「アフター6ジャンクション」の紹介を聴いて即ポチ。

女性芸人と女性アナウンサーの半生と出会い、
ここ30年程度の様々なテレビに関するあれこれ。

昨今のコンプラ・パワハラ系の問題も扱っていて、
基本軽めの文体でサクサク読めるのだが、
いまひとつ物足りない感が残るのは、
様々な問題提起がされている割には、
大きな葛藤はなく、正面から徹底対決はしていないからか? 

少なくともどちらかは正面からどかーんとぶつかって、
完全に表舞台から消えて行く、という着地点を期待していたが、
最初の相方も含めて、3人とも、なんとなく、折り合いをつけていく。
現実は、女性は男性中心のシステムを変えて行く為には、
正面衝突は避けて、こういう風に、
小さな積み重ねで少しづつやっていくしないのかもしれないが、
せめて小説の中では、もっと大きなドラスティックな何かが欲しかった。






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