タナダユキ「ロマンスドール」雑感

タナダユキ「ロマンスドール」Netflix

<ラブドールを題材にした作品>という事だけを番宣で聞いていて、「空気人形」と違うアプローチだとしたらどんな話がありえるのか? と思ってNetflixで見始めると、冒頭で高橋一生がいきなり「妻が死んだ」と言うので、妻を模したラブドールを作って永遠の愛に生きようとする(彼岸に行って戻って来なくなる!?)狂った展開を期待するが、その方向には行かず、曖昧な所に着地。ラストは「空気人形」と似たようなテイスト(結局はモノ=ゴミ)。

16ミリフィルムで撮影された暗めの画は全編通してなかなか良い。特にラブシーンの画。

「永遠に続くものはない」なんて判りきっている真実を大げさなモノローグで呟くよりも、映画を見ている間だけでも、たとえ狂気の愛であっても、とんでもない世界・見た事も想像した事もない世界に連れて行って貰いたかった。

色々な意味で僕は「空気人形」の方を買う。

アートを目指すがアートになりきれず、かといってエンタメとして職人的にきっちり楽しめるように作っている、というわけでもない、総体的にはどこか中途半端な作品。

こういう内容の映画でヒロインががっつり脱がないのは大きなマイナスポイント。ラブドールというテーマでエロティク要素希薄でやたらと美しい照明のベッドシーンばかり見せられても…。田畑智子の陽光あふれるリビングまだしも。



コメント

このブログの人気の投稿

島耕作メモ

サッカー日本代表 W杯本大会全戦績

「アリー スター誕生」雑感と妄想