赤川次郎「ふたり」読書メモ

赤川次郎「ふたり」新潮文庫

大林宣彦「ふたり」の原作。
映画との大きな違いは姉の幽霊の設定。
映画は姉の姿が実際に実加にだけ見えているような描写だったが、
原作は実加の内側で声が聞こえるだけ。
姉に対する返事は内側でしている場合と実際に声を出している場合があるようだ。

先にこの原作を読めばそうでもなかったのかもしれないが、
どうしても映画を基準に比較してしまい、
映画に比べると総じて冗長な印象。
映画では弾き出しの編集が印象的だったピアノの発表会(P75〜)。
映画では全く描かれなかった親友・真子の父親の葬式(P102〜)。

実加のボーイフレンド・前田哲男は映画には登場しないキャラ。
前田哲男が絡むクラスメイトの名前は前野。
前田と前野と混乱しそうな名字をあえてつけているのは何か狙いがあるのだろうか?

実加目線の項で「父」と表記された次の項で、
実加と一緒にいるのに「北尾」と表記されるのは結構な違和感(p230〜)。

母親が姉の姿を見て会話をするシーンが1ヵ所だけある(p42〜)。

細かい事を気にしなければ、文章じたいは非常に読みやすい。

映画「ふたり」作品データ




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