大島渚「青春残酷物語」雑感


大島渚「青春残酷物語」Hulu

90年代なかばに多分NHK BS録画で見て以来の再見だが、
小津安二郎の映画では屈託のないお嬢さんの桑野みゆきが
結構際どいシーンを演じている事しか覚えていなかった。

かなり屈折した形で語られた、出会うべき男女が出会う物語、なのかもしれない。

堕胎手術の後で死んだように麻酔で眠る桑野みゆきの傍らで、川津祐介が赤いリンゴと青いリンゴを取り出し、青いリンゴを延々と食べ続けるのは、このまま永遠にいま(青春)が続いて欲しい、隣の部屋で繰り言を語る久我良子と渡辺文雄のような大人にはなりたくない、という決して叶わない哀しい切なる想いの直球表現、と解釈したい。

最初に結ばれる貯木場、
二人乗りバイクでそのまま海に突っ込む(多分エンジン壊れる)、
手術後にふたりで訪れる水辺(画は合成っぽい)、
と「水」が妙に印象的に登場するが、何か意味するモノがあるのだろうか?

何も考えてないようにも見える川津祐介は存在感抜群。
パイル素材のポロシャツは当時流行っていたのだろうか?

クロウスアップでよく見ると結構ファニーフェイスの桑野みゆきは、
限界ギリギリの露出(スリップ姿)でなかなかの巨乳であった。
友人役の森島亜紀は初めて見るが、桑野と対象的に濃い顔系の美人。
台詞が非常にたどたどしく、部分的に日本語っぽくない発音。

良い人かと思ったら結局大人の男だった二本柳寛、
いまの感覚で見ると65歳くらいに見えるが40代前半、
wikiによると1917年ではなく1912年誕生説もあるらしいが、だとしても40代後半。
80年代までは30すぎれば男は中年、女は熟女だったが、
いまは30でやっと一人前、40から青春後期な感じ。
この30年で少なくとも芸能界に関しては15歳くらい若返って、
いまの50歳=80年代以前の35歳と言えそう。

大島渚プロフィール
川津祐介プロフィール



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