制作費300万円は美談なのか?


制作費300万円が美談的に語られる事に対してはどうも違和感を感じる。
制作費300万円という事は、どう考えても、キャスト・フタッフに対して最低限のギャラも支払われていない筈(キャストはワークショップ参加費を支払って参加した、とも聞く)であり、僕の考えでは、まともなギャラが支払われていない商業作品はプロの仕事ではない。

これが純粋なアマチュア作品ならば、どうぞ自由にやって下さい、という話なのだが、その場合はアマチュア作品なのに鑑賞料金1800円に対する違和感が生じて来る。

映画館の鑑賞料金に関しては、料金一律はどう考えてもおかしい、と以前から常々感じている。

この話は、これだけヒットする作品の脚本をキャッチできなかった(普通に映画化できなかった)プロデューサーや映画業界のだらしなさを問題提起する話なのではないか?
もしくは、アマチュア作品として制作→YouTube等で無料公開→ちゃんとした予算を付けて再制作という流れなら何の問題もない。

この作品の<成功>が「ノーギャラでもいいから映画を作りたい、映画に出たい」と考えている純粋すぎる映画バカ(褒め言葉)から経済的に搾取するシステムの確立に寄与しない事を切に願う。
「300万で30億なら、300万(もしくはもっと低予算)で20〜30本作らせて、そのうち1本でも当たればいい」と考えて、システム化して儲けようとする人が出てきても不思議ではない。

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