「Ready Player One」


「Ready Player One」

この内容で140分はいかにも長い。
設定・ストーリーも疑問点だらけ。
疑問点を置き去りにするくらいのハイテンポで、
常に事態が進行中で90分程度で終わってくれれば大分マシだったかもしれないが…。

もし僕がリメイク(?)するなら、
「誰かがコードを変えてゲーム内の死=現実の死」という設定を作り、
コードを書き直す為には3つのアクセスキーが必要、といった展開で、
時限爆弾付きリアルタイム進行で75分〜90分で終わらせる。
着地点は「誰も現実には死なない平和なゲーム世界」への回帰。

このゲーム内世界は<人が想像した事は全て実現できる>といった説明が
冒頭のモノローグであるのだが、だとしたら、
3つの鍵を探す事は主人公たちにとってそんなに切実なの?
なんでも実現できるならこのゲームをプレイするだけでも充分幸福なんじゃないの?
という疑問点がさっそく浮かんでくる(最後まで曖昧なまま)

冒頭で<説明>しないで、とにかく主人公たちは何かを探しているらしい、
という展開で、鍵が主人公たちにとって何かしらもっと切実なモノとだった、
というストーリーだったらどうだろう、
なんて事を鑑賞中に夢想してしまっう程に無駄に長い。
途中で何度も飽きて来る瞬間がある。

ゲームの世界でのみ生き生きとしていた青年が現実の魅力に目覚める、という根幹。
エンタメ作品としてはこの方向性に行かざるをえないのかもしれないが新鮮味はない。
そのせいかストーリー的は諸々中途半端。
中途半端の最大の象徴が「週に2日ゲーム休業」という着地点。

ゲームの中で死んでも単にゼロからやり直しになるだけなので戦いに緊迫感がない。
戦いの勝敗ルールが曖昧なのも問題。
現実世界で現実に買った装備によってゲームの中で強くなっていたので、
資本力がある相手組織が絶対的に優位の筈なのだが、その辺、非常に曖昧。
ゲームと同時に現実世界でも邪魔が入るのだがこれまた非常に中途半端で緩い。

そもそも3つの謎を解く事を主人公たちがどれだけ必要としているかよく判らない。
金が欲しいのか? と思えばそれも断ってしまう。
別に解けなくてもこのゲーム世界が存在し続ければいいのではないか?
3つの謎は「その程度で誰も解けなかったの!?」と驚く程どれもたいした事がない。

AKIRAのバイク、デロリアン、アイアンジャイアント、メカゴジラ、ガンダムなどが登場するが、ストーリー展開的必然性グダグダで、上記の生き死に問題・勝敗ルール問題で戦いに緊迫感はないので、画は豪華だね〜という感想しかない(それでもゴジラの音楽が流れると多少ワクワクはした)。

映画「シャイニング」の中に入り込む展開はもっと実際の映画にリンクしていればもっと面白くなったかも(ニコルソン的キャラが出ないのは権利関係?)

映画の中に入り込む夢は子供の頃から何度も見ているが、
VRが進化してこういうゲーム(映画「シャイニング」の世界に入り込むゲーム)が
実現する日はいよいよ近づいて来た、という事を予見させる映画が今作品。

古今東西ありとあらゆるキャラクターに自由に扮して、
古今東西ありとあらゆるメカに搭乗できるVRゲームがもしできたらそれはやってみたい。
そんな期待を抱かせる、長過ぎるPVが今作品。

70〜80年代の音楽・映画オマージュは悪くはないが、
オマージュの為のオマージュと言えなくもない。
とにかく足りないのは緊迫感、とにかく過剰なのは尺。



コメント

このブログの人気の投稿

島耕作メモ

サッカー日本代表 W杯本大会全戦績

「アリー スター誕生」雑感と妄想