エル=アッカド「アメリカン・ウォー」

エル=アッカド「アメリカン・ウォー」新潮文庫

21世紀後半の第2次南北戦争の話。
本格的に面白くなりそうな予感が下巻に入っても続くが、最終的にどこかもう一歩物足りない感じ。

主人公の行動は充分描写されているが深い部分の内面描写はあまりない。
ゲインズによって主人公の何がどう変わったのか(或は変わらなかったのか?)
家族を殺されたから復讐する、拷問でひどい目にあわされたから殺す、というのは当たり前。どこかに21世紀後半ならではの新しい行動規範があるべきだと思うのだが僕には掴めなかった。

所々に意味は通じるがひっかかる訳文がある。
※下巻P65「おれは親父が死ぬのを待つほうがいい」

第4章で「わたし」の一人称のがところどころで逸脱する理由は読み進めると判り、<小説は何でもあり>なのでこういう書き方が悪いわけではないが、個人的には好みではない。
※P216サラットと母親のシーン
※P229サラットとマーカスのシーン

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