橋本治「帰って来た桃尻娘」

橋本治「帰って来た桃尻娘」講談社文庫

桃尻娘シリーズ3作目。
1作目2作目に比べて1編が長くなり、決して詰まらなくはないが、文体はどんどん普通になり、1作目の強烈な印象、2作目にそこそこ強烈な印象に比べると、3作目は長くなった分印象は希薄になった。読みやすさで言えば2作目に比べて更に読みやすくなったが、説明しすぎでかったるいと感じた部分もあった。

1作目は、告白体っぽい文体(「現在」の意識の独白)にいきなり「現在」の出来事(主に台詞)がカットインして来て、青春のごく短い「現在」だけを嵐のように描いてさっさと(短めに)終わってしまう。告白体っぽい文体(強烈な話し言葉)で「現在」を描くのが、およそ他の例が思い浮かばない程斬新で強烈。このインパクトを超える程のモノは2作目3作目には正直感じられなかった。

このシリーズは6まであるようだが講談社文庫に入っておらず、簡単には入手できないようなので、今回はここまでしておいて、この勢いで(笑)庄司薫4部作を再読する。

登場人物メモ
榊原玲奈…モモジリムスメ
磯村薫…美少年
木川田源一…カマゲン 滝上に失恋して磯村と交際
醒井涼子…お嬢様 滝上の子供を堕胎
松村…玲奈と短期間交際
田中…野草の会 女たらし
利倉…田中の友人 江古田在住


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