「嵐を呼ぶ男」1957年版 hulu
「嵐を呼ぶ男」1957年版 hulu 鑑賞メモ 名画座で観た記憶があるのだが、ドラム合戦とコンクリートで手をつぶされるシーン以外は全く覚えていなかったのは、Nouvelle Vagueの趣漂う「太陽の季節」「狂った果実」と全然違う方向性(戦前風浪花節)にあったようだ。 ストーリーの根本は価値観の違う母親との確執と和解だが、確執にも和解にも脚本的にさほど工夫もない。ドラマーとして成り上がる話、評論家(金子信雄)との三角関係、弟と芦川よしみの話もいずれも予定調和的なぬるい展開。 大人数を相手にした高低差がある廃墟のケンカシーンはこの作品の中ではまだしもの迫力。 ワイド画面を自慢したいのか、妙に画面の両端に人物が配置されるショットが3つくらいあった。 芦川よしみは非常にattractiveだが完全に脇役。 弟に対する感情をきちんと吐露するシーンはあって然るべきだったのでは? 40年代な雰囲気の青山恭二(弟)の髪型や物腰はこの作品の懐古的方向性の象徴。 石原裕次郎プロフィール